2012年、結氷した諏訪湖湖面に現れた御神渡りの付近で「御渡(みわた)り拝観の神事」が行われた。近年、御神渡りの出現は減りつつある。(PHOTOGRAPH BY KYODO, AP) 長野県の諏訪湖は、冬に全面結氷すると、昼夜の温度変化によって氷が収縮・膨張し、湖面に収まらなくなった氷が表面を割って、山脈のようにせり上がる。「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれるこの現象は、神道の神が湖を渡った足跡だという言い伝えがある。少なくとも西暦1443年以降は毎年、諏訪湖のほとりにある神社の神官が、御神渡りの出現日を丹念に記録してきた。 一方、遠く離れたフィンランドでは1693年、商人オロフ・アールボムが、スウェーデンとの国境を流れるトルネ川の氷が春の訪れで解けた日時の記録を付け始めた。1715年にはロシアの侵略から避難せざるを得ず、記録は途切れてしまったが、1721年に帰郷すると記録を再開。以来、彼