文:伊藤あかり 横浜市郊外のごくふつうの家庭で育ち、女子大に進学した神立美咲。渋谷区広尾の申し分のない環境で育ち、東京大学に進学した竹内つばさ。ふたりは出会い、恋に落ちた。はずだったのに。嫉妬や劣等感、階級意識から、東大生5人による強制わいせつ事件がおきてしまう。事件後、被害者のはずの美咲は「東大生の未来をつぶした“勘違い女”」として世間から攻撃を受ける。 合格が決まって校舎に垂れ幕 「東大だから起きた事件」「学歴至上主義がそうさせた」といった論があるみたいですけど、そうした言われ方をされるのは納得がいきません。「学歴」で女性が釣れるなんてことは、僕のまわりでは想定しにくいからです。 まず、僕の自己紹介をさせてください。東大への進学率が低い県から受験しました。つまり、東大生がレアな県なんです。3000人に1人とも言われています。 県内の進学校にかよっていましたが、学校で1番の子で頑張って筑