出版物をつくっているときに差別表現に出会ったたら、校正・校閲はどう対応するか。 大西寿男『校正のレッスン 活字ととの対話のために』では、対応としてもっともよくないのは、クレーム回避のために著者に変更、削除を求めることだとしています。この対応は、差別表現を「別の無難な言葉に置き換える」だけの、安易な対処を生むからです。 校正のレッスン―活字との対話のために (本の未来を考える=出版メディアパル No. 32) 作者:寿男, 大西 出版メディアパル Amazon 実際、「このままだとクレームの原因になります」と言いたくなることはあります。相手が対話に応じてくれないのではないかというおそれが生じたときに、ついそう言いたくなります。でも、「クレームがくる可能性があるから」という消極的で受動的な態度では、同じ著者、同じ編集者、同じ校正者の組合せで何度でも同じ問題が発生することになります。単に差別語を