携帯メールで文章を作ろうとして、普通にひらがなで“はくち”と入力しても、一回目にはこの映画のタイトルは変換候補に浮かんできませんでした。 Wordの変換ではさすがに出てきますが、どうやらこの言葉も過剰な配慮のために規制対象になっているのか、それともあまり使われなくなっていて、すでに死語になりつつあるからなのかは定かではありませんが、一般的な言葉ではない模様です。英語タイトルでは「The Idiot」と出てきます。つまり“馬鹿”です。 原作はロシアの文豪ドストエフスキーによる重厚な作品で、文庫本でも分厚い上下全二巻に分かれています。これを二時間程度の映像作品に纏めるのはいくらなんでも不可能なので、黒澤明監督を以てしても4時間半近くもの超大作に仕上がりました。 黒澤監督がもともと描いていた製作構想では、全体を一部と二部とに分けて、順次公開するという意図があったようです。しかしながら、ロシア文学