いま7点のフェルメール作品が日本で公開されている。現存作品が36点しかないといわれるフェルメールのおよそ5分の1が、フェルメールを1点も所有しない極東の国に、しかも通常の展覧会の約2倍の4カ月以上におよぶロングランで貸し出されているのだ。貸し出すほうからすれば、前後の準備期間も含めて半年近くフェルメールが不在となる。これがたとえば改修工事中の美術館からの出品であれば話はわかるが、今回は7点とも所蔵先が異なり、それぞれの美術館(1点は個人蔵)にとって目玉といっていい作品ばかりだから、よくぞ貸したもんだと驚いてしまう。 それにもまして驚くのは、今年に限らずここ数年ほぼ毎年のようにフェルメール作品が来ていることだ。以下、これまでのフェルメールの「来日歴」を書き出してみる。