ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (101)

  • デイヴィッド・ピース「占領都市」の書評 - 深町秋生の序二段日記

    ピース先生の新作「占領都市 TOKYO YEAR ZERO2」の書評を、共同通信に書きました。いろんな地方紙に掲載されるのではないかと思います。 すでに秋田や富山の新聞に掲載されたようで、近々山形新聞にも載ると思います。どうぞよろしく。カルモチンを1錠、2錠。 「占領都市」はピース先生の最高傑作で、じつのところまた「ひどい猟奇事件を目の当たりにして、主人公の男がとち狂う」といった、おなじみの展開だったらどうしようという心配をしていたのですが、芥川龍之介「藪の中」であり、日的なドロドロとした怪談でありました。カルモチンを10錠、11錠。 今回は帝銀事件を12話構成で扱ってるのだが、1話目の視点が「毒殺されて墓の中ですすり泣く被害者たち」。一気にしびれましたね。カルモチンを20錠、21錠。刑事、ヤクザ、生存者、犯人とされた平沢貞道、調査を命じられたアメリカ人医師、そして真犯人。731部隊によ

    デイヴィッド・ピース「占領都市」の書評 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2012/10/19
    前作「Tokyo Year Zero」にトバされたので。"731部隊による人体実験がゴーストのようにゆらめく……そういうホラーテイストにあふれたピース文学"
  • ステイサム主演「ブリッツ」のパンフ - 深町秋生の序二段日記

    つーわけで、今もっとも活躍しているハゲメン、ジェイソン・ステイサムの最新作が今週末に公開されるわけです。 「ブリッツ」という英国発の刑事映画。これのパンフレットに寄稿しております。 今回のステイサムさんは、簡単にいえば英国ダーティハリー風の凶暴腕づく刑事であります。やはり女暴力刑事小説を書いてるっつーことで、お原稿の依頼をいただいたわけです。(最近、もうずっと東陽片岡のマンガばかり読んでいるので、自然と口調がお東陽先生ふうになってしまうのだった) ステイサム映画らしく、たしか90分くらいのタイトな仕上がりなわけですが、この作品の最大の特徴は、今年の大暴動ロンドン・バーニングな気配を濃厚に取り入れていたことでしょう。むろん「この先、ロンドンがえらいことになるぞ」と予測したはずはないでしょうが、タチの悪い自動車窃盗や強盗、ヤクの売人や移民を目の敵にする貧乏な若者などがうろちょろする荒廃したロン

    ステイサム主演「ブリッツ」のパンフ - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/10/17
    "これほど現在のロンドンの空気を反映させた作品もねえよな"
  • これこそ真理「ピラニア3D」 - 深町秋生の序二段日記

    つーわけで、「ピラニア3D」がついに、山形にもやってきたのですよ。 相変わらず胃が痛くなるほど時間がないのだけれど、無理やり時間を作って(さぼってとも言う)、小生も山形駅前の映画館「ソラリス」に行ってまいりやした。 長々と書く余裕はないのですが、やっぱりジェームズ・キャメロンが何百億という金を投じて、どんなに意匠をこらしにこらしたところで、飛び出すパイオツ、飛び出すケツに勝てるものなんか、この世にはなにもないんだなと、なんかこう真理ってもんが見えたような気がしました。まさか「ピラニア3D」で悟りが開けるとは思わなかったな。しかし、当にそういうものだと思います。 それほど立派なものでしたよ。じつにすばらしい映画でした。「10代のころから楽しく愉快にセックスしてそうなやつなんか、みんなチンポコいちぎられて死んじまえ! あといちゃついてる高校生みんな死ね!」と、常日頃から思っている私のような

    これこそ真理「ピラニア3D」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/09/30
    "もうおっぱいやお尻がドーンと出ない3D映画には、私はもうなんの興味も持てないと思うのです。ダメ。本当にダメ。やってられない。"
  • 正しい東映印の高品質「探偵はBARにいる」 - 深町秋生の序二段日記

    もう最近は多忙のうえに不眠症。酒も飲めずにガタガタな日々が続いている。 けれど、大泉洋のファン(にわかだけどね)ということもあり、近所のムービーオン山形に駆け込んで、「探偵はBARにいる」を見てきたのだった。これがもうめちゃくちゃおもしろかった。魂を完全にカツアゲされたというか。こうしてブログを書いちゃうくらいに興奮している。それぐらいすばらしかったのだ。 おもしろいというよりも肌にぴったりくる。とてもとても愛すべき作品というべきかもしれない。探偵モノとしては、ベタすぎるほどベタである。一匹狼でその日暮らしの探偵。謎の依頼人と運命の女。調査を進めれば、どこからともなく現れる「警告のために小手調べな感じで主役をいたぶる悪役」(プロレスでいえばボディスラムみたいな挨拶系な技をきちんと放つ悪役)、そしてやっぱり絵に描いたような悪い大物も登場する。 しかししかし、ベタな様式美であっても、やっぱりき

    正しい東映印の高品質「探偵はBARにいる」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/09/30
    "男泣きで哀愁にあふれ、昭和的な情念があり、緊張感に満ちている。"
  • 「龍が如く」と私。 「OF THE END」を終えて - 深町秋生の序二段日記

    ようやく引っ越し先のネット環境がよくなった。光回線はいいものだ。 さて、今月は私の文庫書下ろしが発売されるのだが(そのあたりの紹介は後日)、そんなわけで少し余裕ぶっこいてゾンビゲーム「龍が如く OF THE END」(以下、OTE)をプレイ。徹夜して一気にクリアしてしまった。ちょっとだけネタバレあります。 「極道ステゴロゲーム@歌舞伎町」から、いきなりバイオハザードみたいな「ゾンビガンシューティング@歌舞伎町」に変わったがゆえに、賛否両論の評価だけれど、私は大変おもしろくプレイした。 ガンシューティングというと、ずっとプチプチ敵を撃ち続けるばかりで、飽き飽きしてくることが多い。しかし「OTE」は無駄に個性の強い極道が、それぞれ二丁拳銃だのショットガンだの片腕ガトリンクガンだのを携えていたりして、最後までフレッシュに楽しめた。トリに登場する我らが桐生さんにいたっては、対戦車ライフルをかついで

    「龍が如く」と私。 「OF THE END」を終えて - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/07/14
    "シンプルな動機とシンプルな展開のおかげで、ストーリーも熱を維持"
  • 新興中国のスプラッタ・ノワール「ドリーム・ホーム」 - 深町秋生の序二段日記

    地震以来、映画をさっぱり見てなかった。 ようやく見たのが香港映画の「ドリーム・ホーム」だ。今月28日から、ホラーの殿堂シアターNで公開される18禁なぶっ殺し映画である。一足先に見ることができたのだが、これがえらくすごかった。 弱った心にガツンとくる凶暴な映画で、「ああ、そうか。香港映画ってここまでやるんだっけ」と、限界を知らないスプラッタ演出に、ひたすら驚かされたのだった。 主演は超セレブ女優のジョシー・ホー。(この映画のプロデューサーでもある)マカオのカジノ王であるリスボアグループ総帥スタンレー・ホーの娘である。しかし、けっして親の七光りなどとは言わせない熱量と狂気を、フィルムに叩きつけることに成功した。セレブ娘につきまといがちな甘ったれたスイーツ度はゼロで、梶芽衣子や山田辰夫さん的なダークなオーラをまとっておりました。ただ者ではないと思ったら、なんでもカナダの陸軍士官学校出身なのだそう

    新興中国のスプラッタ・ノワール「ドリーム・ホーム」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/05/26
    "弱った心にガツンとくる凶暴な映画で、「ああ、そうか。香港映画ってここまでやるんだっけ」と"
  • 原発の街を歩く・敦賀 - 深町秋生の序二段日記

    しばらく「原発銀座」と呼ばれる福井県をうろついていた。また旅に出たのだ。 福島の原発事故で痛感させられたのは、自分の知識のなさだった。原発がドカンと爆発したその日、さすがにイソジンは「アホくさ」とスルーしたけれど、昆布は思わず買ってしまった。その日の夕は、昆布ダシの鍋物だった。 隣県の土地がこの事故によって、あっという間に汚染されてしまった。浜通りは冬でも暖かく、いわき市などは東北なのにヤシの木が植えられている。雪で気が狂いそうなときは、とりあえず温暖な浜通りによく避難していた。 その豊かな土地が一瞬にして危機に陥った。その原因となった原子力発電所とはなんだったのだろう。今さらながら、一から勉強したくなって、日々の仕事をしつつ福井の敦賀市に向かった。 敦賀市には、敦賀原発や問題の多い「もんじゅ」や廃炉した「ふげん」がある。その隣の美浜町にも美浜原発がある。原発が集中している地域で、原発関

    原発の街を歩く・敦賀 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/04/07
    ほんと「原発の街」なんだなあ。
  • 今もこれからも、すてきないい町 - 深町秋生の序二段日記

    三陸の旅を終えて以来、虚脱状態が続いている。 山形が停電から復旧し、テレビやネットで情報を追い続けていたが、この世のものとは思えない津波の映像に震え、ぶらぶら歩いていた釜石の商店街が波に呑みこまれ、あとはもうひたすら恐ろしかった。 地震当日の午前中は、宮城県松島のカフェで原稿を書いていた。午後に山形で用があり、久々に帰郷したところで地震に遭った。その用事がなければ、「いいところだな」と、太平洋岸の町をうろついていたと思う。 最近は、ずっと旅をしていた。 三陸をうろつく前の週は、福島の郡山やいわき市に。海を見ていると、原稿執筆のモチベーションが維持できるという理由で、今年の冬は沖縄や福島、仙台、三陸をぶらつきながら、わりとストイックに原稿に向かっていた。旅をしながら、同時にカンヅメでもあったのだ。 プライベートな空間では原稿がまったく書けないので(個室に入るとロクなことをしない)、家には帰ら

    今もこれからも、すてきないい町 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2011/03/16
    地震に関して。東北愛が心に沁みる。
  • 2011年01月09日のツイート - 深町秋生の序二段日記

    mokkei1978
    mokkei1978 2011/01/11
    「血と抗争!菱の男たち!」。"戦後極道のバトルがカラっとイケイケに展開"
  • 弩級の快作「冷たい熱帯魚」 - 深町秋生の序二段日記

    早くも噂で持ちきりの園子温監督作「冷たい熱帯魚」を見た。 東京フィルメックスで上映されたが、私も機会があって早めに観賞することができた。来年のお正月第二弾として上映されるため、今年のランキングに入れるべきなのか迷っているが、かりに入れるとしたら二位(一位はもう「第九地区」と決めている)にしたいほど、超弩級のハイエネルギーな快作となっていた。とにかくひたすらすごい。そういう映画である。 監督は鬼才・園子温。そして私の作品の表紙デザインを手がけてくださったこともある高橋ヨシキさんが、今回は園子温監督と共同脚という形で加わっている。彼がかつてロフト・プラスワンで行っていたエロ&バイオレンス&ブラックユーモアの映像大会「東雲会」を10年前に見て、その破壊的なパワーにショックを受け、「世の中にはなんてやばい人いるんだ……」と戦慄したけれど、作品を見てあのころのことをちょっと思い出してしまった。

    弩級の快作「冷たい熱帯魚」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/12/06
    "グロテスクな欲望や狂気がギラギラと油のごとく七色に輝く"
  • 2010年10月31日のツイート - 深町秋生の序二段日記

    mokkei1978
    mokkei1978 2010/11/05
    "野郎どもの死のお祭りに向かって、さくさくと進んでいくところが心地よい。"
  • 歴史的お祭り暴力映画「エクスペンタブルズ」 - 深町秋生の序二段日記

    すごい! すばらしい! とにかくこれが見たかった! 栄養価はなくてもカロリー100億! 山のようにそびえたつゴジラサイズのハンバーガーをわんこそばのように提供。スタローン監督の「エクスペンタブルズ」は、爆破とステゴロと銃撃でいろどる壮大なお祭り映画であった。 今年のリメイク版「特攻野郎Aチーム」が、じつはかなり気に入らなかったのだけれど、あの作品に欠けていたものがここにはあった。がちゃがちゃしすぎない映像、それに主役たちが倒すに値する存在感のある敵、アイディア倒れにならない骨太なアクションをパンパンにつめこんだ挙句、そのまま爆発させたような作品だ。アクション映画好きやプロレスファンにとっては事件だろう。 どこを切ってもレタスやピクルスなど一欠けらも見当たらない。あるのは肉汁まみれのウェルダンな分厚いハンバーグのみ。そういうアレだ。なにせスタローンが語りかける相手がB・ウィリスで、そこへバー

    歴史的お祭り暴力映画「エクスペンタブルズ」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/10/20
    "老いてますます野蛮になっていくスタローン先生が唯一の希望であり、信頼の置けるマスター・オブ・バイオレンスといえる。"
  • ゾンビとバブルと日曜大工「デッドライジング2」 - 深町秋生の序二段日記

    さて「デッドライジング2」を2回クリアしてみた。 初めてこのシリーズに出会ったときのような衝撃度こそはないけれど、やはりおそろしく愉快で高水準なゲームであった。 高機能マシンが可能にする数千のゾンビの群れ。前作は巨大ショッピングセンターが舞台で、ありとあらゆるい物や物品、衣服、銃器、バイク、車などが使い放題。ばかばかしいプロレス技まで炸裂し、ラストは虐殺をたくらむ悪い軍人とステゴロ対決。考えうるかぎりすべてのゾンビ様式美をぶちこんだような歴史的傑作だった。 しかし「1」であらゆる要素をぶちこんだように思えて、「これは続編どうするのだろう」と考えていたのだが、舞台をラスベガス風のギラギラなバブルタウン(主人公は子連れの渋めなブロンド中年チャックさん)へと変え、ゾンビに囲まれながら、ギャンブルに興じることもできるというなかなかぐっとくるシチュエーションが用意されていた。 「1」との最大の違い

    ゾンビとバブルと日曜大工「デッドライジング2」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/10/13
    "我らがチャックさんは武器のDIYで事態を乗り切ろうとする。「やっぱり銭金よりも日曜大工がすべてを制す」"
  • 平松伸二のぶっキレ悪党造形。新連載「ザ・松田」 - 深町秋生の序二段日記

    先日、ワッシュ君(id:washburn1975)と会ったら、開口一番に「別冊漫画ゴラク読みましたか!?」と問いかけられた。 「平松伸二の新連載、すごいやばいですよ!」とうれしそうに告げてきたのだった。彼は自分のブログでこのように書いている。 http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20100926(いんだよ細けえことは! - 男の魂に火をつけろ!) そんなわけで死んだはずの人気キャラ松田さん(ブラックエンジェルズ)を無理やり蘇らせての新連載だが、なるほど、近年の平松コミックのなかでは、もっともぎょっとする快作に仕上がっていた。何度も腹を抱えてしまったというか。 まだ1話だけだから、けっきょくのところどうなるかはわからないが、このテンションで話を持続できたら、すさまじいものになるだろうと思う。とりあえずこの1話だけでも見ておいたほうがいい。 大ゴマで松田さんの

    mokkei1978
    mokkei1978 2010/10/04
    "バッティングセンターで遊んでいたら、いきなり機械が頭にめがけて白球を投げつけてくるような感じだろうか。"
  • 史上最強のゾンビ一大叙事詩「WORLD WAR Z」 - 深町秋生の序二段日記

    「ゾンビはええな〜」 その昔、桑名正博がしみじみ言ったそうな。大槻ケンヂ映画エッセイに書いてあった。まあセクシャルバイオレットNo.1でなくても思う。やっぱりゾンビは、いい。 しみじみ思ったのは、今もっともマンガの神様に愛されているであろう花沢健吾の新刊「アイアムアヒーロー」の4巻を読んだからだった。独創的なゾンビアクションにすっかり昂奮してしまった。今月末にはやはりゾンビ最強ゲームの「デッドライジング2」が発売される。そういえばあの小説の感想を書いてなかったなあとあわてて筆をとった。 まだまだゾンビが熱いわけだが、史上最強のゾンビエンターテインメントにして決定版と言いたくなるのがマックス・ブルックスの「WORLD WAR Z」(ワールド・ウォー・ゼット 世界ゾンビ大戦)である。タイトルのとおり、生きた死者の群れに覆われた世界で、あらゆる国の人類がゾンビと全面戦争をするという物語。 どう

    史上最強のゾンビ一大叙事詩「WORLD WAR Z」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/09/06
    "人類の思想や哲学、社会がぐいぐい変容していくのもゾンビ物語ならでは。"
  • 圧倒的なスラム力「太陽の墓場」 - 深町秋生の序二段日記

    いやあ……暑い。 あんまり暑いものだから、わあわあと怒鳴る男たちをやたら超どアップに撮る「龍馬伝」を最近はめっきり見なくなったのだけれど、先日暑苦しいことこのうえない強烈な一を見た。昭和35年の大島渚の映画「太陽の墓場」である。 暑苦しいうえに臭うというか……汗や血や体臭、それに大阪釜ヶ崎の夏の土埃。昭和30年代の、現役バリバリのスラム街の濃厚な気配が伝わる刺激的な一だった。映画ライターの真魚八重子さんが、ツイッターでこの作品に関する感想をつぶやいてらっしゃった。「なに、釜ヶ崎のスラム? そうと聞いたら黙っとられへん!」というわけで、速攻でDVDを購入して見た。 管理売春に励む若き愚連隊集団や、売血をシノギとする反共主義者(口癖は「ソ連がもうすぐ攻めてくる」)の元軍人、小汚い日雇い人夫がぎょうさん暮らす大阪のスラム街で、寄せ場のまとめ役の娘である花子が、肉系の元軍人や愚連隊とつるんで

    圧倒的なスラム力「太陽の墓場」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/09/04
    "ギラギラと照りつける血のように赤い太陽のもと、汗をだらだら垂らす人間たちの脂っぽさや黒ずんだバラックやドヤの熱気"
  • 禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記

    強烈なノンフィクションを読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い

    禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/09/01
    "地元の最底辺に生きる人々と交流を持っていくうちに、知らず知らずにその国の暗部に足を踏み入れてしまう"
  • アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記

    日テレで話題のアニメ『サマーウォーズ』を見た。 かなりネットで大評判になった作品であって、いまさらなにを言っても周回遅れ感がつきまとうだろうが、感想を書いておく。テレビ版はかなりカットした部分も多いらしく、とんちんかんな指摘になるかもしれないが。 演出や派手なCGには目を見張ったが、シナリオに欠陥があるのか、思想が受け入れがたいからか、この世界にうまく入り込めなかった。 数学オタクの高校生、小磯健二は数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃し、しょっぱい夏休みをすごしていたが、マドンナの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷である長野まで旅行する。なんと婚約者のフリをしてくれとの驚きの依頼で、彼女の実家に行ってみると、そこには何世帯もの大家族が待っているのだった。90歳にもなる夏希の曾祖母で陣内家の当主に挨拶をするが、おりしも仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことか

    アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/08/16
    説得力ある批判。自分は楽しめたけど、それはたぶん、それぐらいのご都合主義は日本アニメじゃ普通だからかもなあ。慣れ。
  • ヨシモトと暴力の空気 - 深町秋生の序二段日記

    今週のネット界はこの話題で持ち切りだった。 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1495370.html(「人志松のすべらない話」で千原ジュニアがした話が、レイプ未遂、傷害罪では?と批判殺到) 放送作家でタレントの木村祐一が、自宅に招いた女性に、カチカチの凍った鶏肉を投げつけたという話。深夜に招いたのに、やらせてくれなかったのに腹を立て、鶏肉を放って追い返したというのだ。 それを千原ジュニアが粗暴な雰囲気ぷんぷんさせながら語るものだから「どこがすべらない話なんだ」「ただのDV野郎じゃねえか」「犯罪自慢かよ」と非難ごうごうなのであった。 リンク先にそのときの模様があった。見たけれど、なるほど、これは誤解を生むだろうなと思った。ニヤっと笑ってしまうところもある。私はゴシップや陰口が大好きなので、「ああ、木村祐一って(文化人ぶってるのに)そんなあぶ

    ヨシモトと暴力の空気 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/06/30
    映画「ドロップ」。観てみようか。"これほど暴力を無邪気に美化した倫理観のない映画もめずらしい"
  • 冷酷は時代を超える「吉原花魁日記」 - 深町秋生の序二段日記

    ベストセラーとなっている「吉原花魁日記」を読んだ。いやはや強烈な一冊だ。 作者は森光子という人だが、ジャニーズ好きのでんぐり返り大女優のほうではない。大正13年に19歳で吉原に売られた花魁のリアル日記である。大正15年に、柳原白蓮(筑紫の女王とか大正三美人と呼ばれた歌人。マンガみたいなすごい経歴のオーナー)に認められて、日記が出版。当時も大きな波紋を呼んだのだそうな。 光子はこの日記と続編の2冊を出しているが、その後の消息は不明。このの著作権継承者も不明となっている。 花魁というと、華やかな感じがするが、つまりは女郎である。群馬の田舎に住む貧しい家の少女が、周旋屋(ブローカー)に「酒のお酌でもしていれば、こんな田舎とは比べ物にならないほどいいメシが喰えて、いい着物が着られる。とっても楽な仕事だよ」と、言いくるめられて吉原に売られるところから始まる。もっとも、親の多額な借金でもはや身動きな

    冷酷は時代を超える「吉原花魁日記」 - 深町秋生の序二段日記
    mokkei1978
    mokkei1978 2010/06/23
    「吉原花魁日記」。"女版「蟹工船」という内容だが、特筆すべきは、まず書くことで誰よりも自分自身が救われたいという切迫感がみなぎっている点"