「失明するかも」転機 今、90勝130敗くらい 高校のとき、友人たちと山に行った。その晩、いつになく興奮した友人のアキヒコが、間が悪いことにテントにチーズかまぼこを取りに行ったその一瞬、後にも先にも見たことのない流星群が天空を通り過ぎていった。 <あの時、流れ星を見逃したアキヒコの顔を見て、ゲラゲラ笑いながら、こんなことが何度も、そして、いつまでも続くような気がしてたけど、そんなことはなかった。ぜんぜんなかった>(エッセー集「野良猫を尊敬した日」より) 歌人であり、エッセーでも広く知られる。特に青春の一瞬を切り取った言葉が心に残る。そう伝えると、こう語り出した。