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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (11)

  • トレーニング・デイ - himaginary’s diary

    最近持ち上がった齊藤誠氏と飯田泰之氏の論争(というほどのものでも無いかも知れないが)を興味深く拝見したが、非自発的失業に関する齊藤氏の発言 実は、経済学研究の先端で厳格なトレーニングを受けた研究者は、「非自発的失業」や「自発的失業」という言葉をほとんど使わない。 を読んで、吉川洋氏が以下の著書で報告したルーカスの発言を思い出した。 ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書) 作者: 吉川洋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/06/01メディア: 新書購入: 12人 クリック: 297回この商品を含むブログ (23件) を見る 少し長くなるが、その発言を報告した部分の後の吉川氏の現代経済学への評価も含め、以下に引用しておく。 一九七七年私はイェール大学の大学院生だった。イェール大学はアメリカ・ケインジアンの総帥ともいえるトービンの影響下に、当時米国でケインズ経済学が生き残っているほと

  • ある支配的な国際通貨は別の国際通貨にどのように取って代わられるか?:新旧の実証結果 - himaginary’s diary

    というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「How is a leading international currency replaced by another? Old versus new evidence」で、著者はArnaud Mehl(ECB)、Marko Mlikota(ペンシルベニア大)、Ine Van Robays(ECB)。 以下はその冒頭。 This special feature reviews the evidence – both old and new – on how a leading international currency is replaced by another. The conventional historical narrative is that inertia in international curr

    ある支配的な国際通貨は別の国際通貨にどのように取って代わられるか?:新旧の実証結果 - himaginary’s diary
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    o-v-o 2023/07/03
  • クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary

    バイデンプランを巡る経済学者の論争(cf. ここ)についてノアピニオン氏がブログエントリを書いたところ(邦訳)、クルーグマンがツイッターで以下のように異論を唱えた*1。 So actually I think Noah, unusually, has this mostly wrong. These macro wars are very different from those of 2011; the debates are about numbers, not principles — basically because the big conceptual issues were settled when one side won This time we really are all Keynesians now — or at any rate nobody is listen

    クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary
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    o-v-o 2021/03/28
  • 減税と賃金の再説(少し難しい) - himaginary’s diary

    以前、法人減税がどの程度の賃上げにつながるかについてクルーグマンやマンキューやサマーズやファーマンやマリガンやデロングが議論を繰り広げていたが(cf. ここ、およびその後続記事)、クルーグマンが改めてその問題を表題の記事(原題は「Tax Cuts and Wages Redux (Slightly Wonkish)」)で論じている。 そこで彼は以下の3種類の説(および現象)を紹介している。 楽観論者の説 ケビン・ハセットやTax Foundationは以下のような説を唱えていた。 財や労働の市場は完全競争に近い。 米国は世界資市場の一部であり、その市場では税引き後の利益率は概ね均等化される。 従って、法人税率を引き下げると米国は世界から資流入を惹き付ける。資ストックの増加により資の税引き前利益率が下がり、労働を求める競争は高まる。そのため、賃金は上昇する。長期的には減税の便益はすべ

    減税と賃金の再説(少し難しい) - himaginary’s diary
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    o-v-o 2018/04/01
  • カサアゲノミクスの内訳 - himaginary’s diary

    石町日記さんツイート経由で、昨年末のGDP改定において名目GDPが2008SNA対応以外の要因で増加したことを問題視している人がいることを知った。具体的には、こちらの公表資料の1ページ目などに記されている改定前後の比較表の差分において、「うち その他」という項目が2013年度から2015年度に掛けて急速に増加している(2012年度=0.6兆円、2013年度=4.0兆円、2014年度=5.3兆円、2015年度=7.5兆円)のは、アベノミクスを良く見せるために数字が操作されていることの証左である、という指摘である。 その方が著書の編集者を通じて内閣府に問い合わせたところ、「その他」の内訳は無い、という回答が返ってきたという。そのため「私はこの回答をもって,GDP改ざんを確信した」とのことである。 ただ、その方の10/12のブログ記事に掲載されている内閣府の回答メールでは、参考資料として幾つか

    カサアゲノミクスの内訳 - himaginary’s diary
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    o-v-o 2018/03/30
  • コント:ポール君とグレッグ君(2017年第2弾) - himaginary’s diary

    1月の国境税調整を巡る話では大筋で意見が一致していたクルーグマンとマンキューが、トランプ減税を巡って相反する見解を示した。 グレッグ君 世界金利が外生的な開放経済で資税を減税すると、減税分と賃金増加分の比率は幾らになるか、という現下の話題と関係する読者への練習問題を考えたよ。最初にメールで正解した人はブログで発表するね。ちなみに、ラムゼイモデルの定常状態でも同じ計算が成立するんだ。その場合、世界金利は時間選好率になるんだけどね。 [追記] 自ブログで同様のことを考えていたケイシー・マリガンが最初の正解メールをくれたよ。正解は1/(1-税率)だね。だから税率が1/3の時に1ドル減税すると、(静学的な分析では)賃金は1.5ドル上昇するんだ。あと、1991年のデロング=サマーズ論文の資には正の外部性があるという話が正しいとすると、上昇は1.5ドルよりも大きくなるね。 ポール君 トランプ減税の

    コント:ポール君とグレッグ君(2017年第2弾) - himaginary’s diary
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    o-v-o 2017/10/25
  • 米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary

    というINETブログ記事でピーター・テミンの下記の新刊が取り上げられている。原題は「America is Regressing into a Developing Nation for Most People」で、著者は同研究所のSenior Research AnalystであるLynn Parramore。 The Vanishing Middle ClassPrejudice and Power in a Dual Economy【電子書籍】[ Peter Temin ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 洋書 > SOCIAL SCIENCEショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア価格: 2,743円 In a new book, The Vanishing Middle Class: Prejudice and Power in a Dual Economy, Peter Te

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    o-v-o 2017/05/08
  • 経済学者の意見の一致はどこまで効果があるか? - himaginary’s diary

    WaPoのMonkey Cageでジョージワシントン大のヘンリー・ファレル(Henry Farrell)が、4/2エントリで紹介した経済学論争を取り上げている。 以下はファレルによる議論の流れのまとめ。 主流派経済学を批判したUnlearning Economicsと、左派寄りの経済学者サイモン・レンールイスの意見の不一致が議論の発端。大不況中に政府が緊縮策を舵を切ったことには主流派経済学も部分的に責任がある、とUnlearning Economicsが主張したのに対し、レンールイスは、真犯人はシティのエコノミストの助けを受けて財政赤字の恐怖を喧伝した政治家だ、と反論した。 それに対し、不況中に張った論陣で名を馳せたバークレーの経済学者デロングが、政治家と民間部門だけではなく、有名な学界の経済学者も緊縮策を主張した、と論じた。デロングに言わせれば、公けの場で意見を述べた主流派経済学の大部分

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    o-v-o 2017/04/16
  • 今さら労働価値説? - himaginary’s diary

    ブランコ・ミラノビッチが直近のブログエントリで、経済学者の間でも誤解がみられる、として労働価値説を改めて解説している。そこで彼は、小商品生産(petty commodity production)において生じる労働の剰余価値(surplus value)の話を説明した上で、その話を資主義経済に拡張しようとしても、資主義経済の均衡価格は(各部門のリスク調整後利益率が収束する)マクロ的な資利益率で決まるので、上手く行かない(=転形問題(transformation problem)が生じる)、と解説している。そして、マルクスの労働価値説を以下のように斬って捨てている。 Now, if Marx, Walras and Marshall agree on the equilibrium price in capitalism, where is the labor theory of va

    今さら労働価値説? - himaginary’s diary
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    o-v-o 2016/11/27
  • どの(マクロ)経済学者に耳を傾ける価値があるのか? - himaginary’s diary

    在外ないし最近まで在外だった日経済学者のツイートをここ数日で幾つか目にした際に、以前ブクマ/ツイートしたクルーグマンのエントリ「誰に耳を傾けるべきか(Who To Listen To)」の追記部分を否応無く思い出したので、以下にそれを紹介してみる。 PS: One side note: One thing that’s striking in Portes’s discussion — and something I very much agree with — is the irrelevance of formal credentials. As we’ve debated how to deal with the worst slump since the 1930s, a distressing number of economists have taken to arguin

    どの(マクロ)経済学者に耳を傾ける価値があるのか? - himaginary’s diary
  • p値の価値 - himaginary’s diary

    今月初めに米統計学会がp値の使用に関する6つの原則を公表した。その責任者である同学会Executive DirectorのRonald L. Wassersteinは、Retraction Watchという論文撤回監視ブログ*1のインタビューに応じ、最近の再現性危機問題が今回の声明の背景にあることを説明している(H/T Mostly Economics)。日でもこの6原則は各所で取り上げられており、Naverまとめがその辺りに詳しい。 米統計学会のサイトでは、この6原則を提示した声明文書と共に、同文書のp値の議論に関する21人の統計学者の反応も併せて公開している。そのうちUCバークレー教授のPhilip B. Starkが、表題の小論(原題は「The Value of p-Values」)で、今回の声明の精神は買うが、内容には若干の違和感がある、として以下の点を指摘している。 The i

    p値の価値 - himaginary’s diary
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