放射性物質が広範囲に拡散し、予断を許さない深刻な状況が続く福島第一原発。4月4日には、東京電力は国の基準値の約100倍に相当する濃度の「低レベル」汚染水約1万1500トンを海に放出する異例の措置に踏み切った。タービン建屋地下などに滞留するさらに高濃度の汚染水の回収先を確保するための応急措置であり、放出による人体への影響はないと東電・政府側は説明しているが、事態悪化を招いた両者への不信感は根強く、放射性物質の大気中への拡散や土壌汚染リスクがさかんに報じられるなかで、国民の不安は拭えない。はたして現状の放射線は本当に心配のないレベルなのか。陸海の多様な生物も汚染される中で、長期的に見た場合、放射線の累積量に本当に懸念はないのか。1986年のチェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士に話を聞いた。ちなみに、ゲイル博士は
藻類「オーランチオキトリウム」の沖縄株=筑波大提供 藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍以上も油の生産能力が高いタイプを沖縄の海で発見した。チームは工業利用に向けて特許を申請している。将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報となりそうだ。茨城県で開かれた国際会議で14日に発表した。 筑波大の渡邉信教授、彼谷邦光特任教授らの研究チーム。海水や泥の中などにすむ「オーランチオキトリウム」という単細胞の藻類に注目し、東京湾やベトナムの海などで計150株を採った。これらの性質を調べたところ、沖縄の海で採れた株が極めて高い油の生産能力を持つことが分かった。 球形で直径は5〜15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。水中の有機物をもとに、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、細胞内にため込む性質がある。同じ温度条件で培養すると、これまで有望
【日本の議論】地球温暖化は本当なのか 台頭する懐疑論、バスターズも (1/5ページ) 2009.8.2 18:00 「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」。温暖化を防ぐためのさまざまな対策が講じられているが、書店では今も温暖化に異論を唱える本が、売れている。こうした議論をめぐって、東京地裁で裁判も起き、係争中だ。温暖化「異論」の背景は−。(杉浦美香)温暖化懐疑論が裁判に 東京地裁で気象学者らが注目する裁判が行われている。 原告は「CO2温暖化説は間違っている」などの著書がある“懐疑論者”の一人、槌田敦・元名城大教授。被告は日本気象学会(東京)だ。 槌田氏の訴えはこうだ。 昨年4月、「二酸化炭素(CO2)の増加が地球温暖化をもたらす」という“通説”の因果関係の逆、つまり「気温が上昇することで海中に含まれるCO2が放出され、CO2
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