バイクの新車販売の低迷が止まらない。日本自動車工業会(自工会)の国内需要予測によると、2010年は前年比6.5%減の40万4000台にとどまり、ついに電動アシスト自転車に抜かれる見通しだ。原因の一つは、排ガス規制への適合に伴う価格の上昇。かつては若者のあこがれだったバイク文化を、現在は中高年ライダーが支えている。 (荒間一弘) 「若いころはお金がなかったが、今は金銭的に余裕ができて夢がかなった」と、埼玉県草加市の会社員(45)。群馬県渋川市の公務員(46)も「子どもたちが成長しようやく自分の時間ができた。バイクに乗るのは十六年ぶり」と目を輝かせた。 十一月上旬にホンダ系列の「交通教育センターレインボー埼玉」(埼玉県川島町)が開いた「免許取得者が対象」のバイク安全講習。専門トレーナーの指導に従い、多くの「中高年ライダー」が、スラローム(ジグザグ走行)や車体を傾けたコーナリングに真剣な表情で取