ジョルジオ・アルマーニ、というのは、80年代後半にファッションに興味を持っていた人間にとって特別の存在である。 ときは、プラザ合意以降の円高輸入品ブーム。 当時、日本における舶来ブランドで人気を博していたのは、ラルフローレンやブルックスブラザーズなどのアメリカントラッドが中心で、グッチやサンローラン、ディオールといった、かつて隆盛を誇ったイタリアやフランスのブランドは元気がなく、「ババくさい」イメージがあった。 もっと人気があったのは、日本のデザイナーズ&キャラクターブランド。いわゆるDCブランド、である。 そこにイタリアから登場したのが、アルマーニだった。 私が最初にアルマーニを知ったのは、渋谷西武のA館とB館の地下通路である。この通路には、詩集や映画本がおいてある「ぱろうる」(だったかな)という小さな本屋さんがあったり、西武のバイヤーさんがおそらく海外からかき集めたであろう、まだ日本の