「紀州のドンフアン」と呼ばれた資産家で、2018年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(当時77歳)の兄ら親族4人が、「全ての遺産を市に寄付する」とした野崎さんの遺言書は無効と訴えて、遺言執行者の弁護士を相手取り、和歌山地裁に提訴したことが明らかになった。遺産を巡っては田辺市が既に、受け取るための手続きを進めている。 提訴は4月18日付で、訴状によると、親族側は「遺言書がコピー用紙のような紙に赤色のサインペンで走り書きされている」と指摘。野崎さんには田辺市に寄付する合理的動機が見当たらないとしたうえで、「自身で遺言書を作成したとは考えられない」と主張している。