ブックマーク / academist-cf.com (20)

  • 天王星は巨大衝突で横倒しになり、大蒸発の果てに小さな衛星群が残る – 新たな理論モデルの発見

    太陽系の形成と惑星の自転 太陽系では、内側の軌道に岩石を主成分とした小型の地球型惑星(水星、金星、地球、火星)があり、その外側に水素・ヘリウムガスを主成分にした巨大な木星型惑星(木星、土星)、さらにその外側に氷を主成分にした中型の海王星型惑星(天王星、海王星)があります。地球は「水の惑星」のように見えますが、海の総質量は地球全体の0.01%に過ぎず、内部に染み込んだ水を含めても0.1%を超えることはないと考えられています。地球は、中心の鉄の芯に岩石層が取り巻く、からからに乾いた惑星です。海王星型惑星も表面を取り巻くガスは全体の10%ほどです。 太陽は、銀河系に漂う水素・ヘリウムガスの密度の濃い部分が収縮して形成され、原始の太陽のまわりには収縮しきれなかったガスが円盤状に取り巻き、その円盤に微量に含まれる岩石や固体成分が凝縮して無数の小天体(微惑星)が形成されます。地球型惑星は岩石微惑星が集

    天王星は巨大衝突で横倒しになり、大蒸発の果てに小さな衛星群が残る – 新たな理論モデルの発見
    taron
    taron 2021/02/13
    天王星は巨大衝突で軌道が横倒しになった。その際、拡散したのは水蒸気で、そのほとんどが天王星に戻って、残った1%程度の質量が、再凝縮して、衛星を形成した。そういうモデルを提唱したという話。
  • 空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】

    空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】 空気中の窒素を自ら肥料に変換して生育する「窒素固定作物」。名古屋大学大学院生命農学研究科 藤田祐一教授は、そんな夢のような植物の創出を目指している。実現のカギとなるのが、一部の原核生物がもつニトロゲナーゼという酵素だ。ニトロゲナーゼは、大気中の窒素を還元してアンモニアに変換する能力をもつ。藤田教授は、葉緑体のモデルとなるシアノバクテリアや、モデル植物として広く研究に利用されているシロイヌナズナでニトロゲナーゼを作動させられるよう、研究を進める。 ニトロゲナーゼとの出会いとなった藤田教授の大学院生時代の研究について振り返った前編に続き、後編では窒素固定作物実現に向けた研究の現在地と実用化までの展望について聞いた。 ゼニゴケにはあってタバコにはない遺伝子を追求したら、10

    空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】
  • 日本海は450万年前に太平洋と分離した – ネオジム同位体比でたどる海水の由来

    海の成立 現在、日海は深さ130m以下の海峡を通して外洋と繋がっていますが、日海の深層水と外洋(太平洋)の深層水の交換は完全に遮断されています。この浅い海峡で閉じられた半閉鎖的な日海には、外洋と異なる独自の深層水循環が形成されているため、全海洋のたった0.3%の面積しか占めない海なのにもかかわらず世界の研究者の注目を集めています。このような稀な特徴を持つ日海は、いつ生まれ、どのような過程を経て形成されたのでしょうか? 下北半島を中心とした日海-太平洋の水塊断面図。左上図は水温、左下図は塩分の分布。日海と太平洋の深層水の交換がないため、両海域の深層水の水温・塩分が大きく異なるのがわかる。 これまでにわかっている日海の形成過程や日列島の形成史によれば、もともと日列島はユーラシア大陸の一部で、約2500~2000万年前に日列島とユーラシア大陸のあいだに溝が形成され、それが

    日本海は450万年前に太平洋と分離した – ネオジム同位体比でたどる海水の由来
  • ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合

    外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで

    ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合
  • 鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ

    植物と動物の共生関係 – 周散布とは? 固着性の植物にとって、種子散布は貴重な移動の機会です。植物の多くは、動物に種子を散布してもらっています。動物による種子散布でよく見られるものが「周散布」です。周散布とは、植物が種子の“周り”の果肉を動物に提供し、動物が果実をべて種子を糞として排出することで、種子の散布が成り立つというものです。植物側にも動物側にも利益がある、共生関係といえます。 周散布は温帯林の樹木種の35~44%、熱帯雨林では75~90%を占めており、動物が森づくりに大きくかかわっています。実際、森林伐採や狩猟で動物がいなくなった森は空洞の森といわれ、種子散布されなくった樹木の世代交代が上手くいかなくなっています。 周散布にはナメクジやゴキブリ、バッタなどの無脊椎動物から、カメ、カラス、クマ、ゾウなどの脊椎動物まで多くの動物が参加します。雨季に林床が水に沈む南米の湿地林

    鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ
  • 大学はもう死んでいる?- 東京大学・吉見俊哉教授 – academist Journal

    都市論や文化研究を専門とする東京大学・吉見俊哉教授。大学の現状に危機感を抱いた吉見教授は、大学を再定義すべく、その壮大な歴史をたどる『大学とはなにか』(岩波書店、2011)を著した。その著書によれば、大学は「二度目の死」を迎えているという。出版から7年、2015年の「文系学部廃止」にまつわる一連の報道や「デジタル革命」のさらなる進展などいくつかの変化を経験したなかで、あらためて大学のこれまでとこれからについてお話を伺った。 ※吉見教授は2020年4月25日(土)開催オンラインイベント「ポストコロナ時代の大学論」に登壇予定です。 ——『大学とはなにか』では大学の歴史の見取り図を示す仕事をされました。今存在する大学は、一度衰退して生まれ変わったものであることを知り、驚きました。 まず大学はいつ頃誕生したのかというと、12〜3世紀頃です。最初は1158年にボローニャ大学、次は1231年にパリ大学

    大学はもう死んでいる?- 東京大学・吉見俊哉教授 – academist Journal
  • なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか? – ビッグデータが解明する脳サイズ進化の謎

    ヒトを含む哺乳類と鳥類は、同じ大きさの魚類や両生類と比べておよそ10倍~20倍大きな脳を持っています。哺乳類と鳥類のなかに高い学習能力や社会性を持つ動物が多く見られるのは、このように大きな脳を持っていることと関係しています。 体のわりに脳が大きく進化する現象は「大脳化」と呼ばれています。大脳化は高度な認知能力とそれに付随するさまざまな行動を可能とするため、いろいろな環境下で生存・繁殖上の利益をもたらすと考えられています。こういった適応的側面だけを考えれば、すべての脊椎動物に大脳化の機会があったと考えるのが自然です。しかし、大脳化はごく少数の例外を除いて哺乳類と鳥類でしか生じていません。なぜ、哺乳類と鳥類だけが大脳化に成功したのでしょうか?私たちはこの謎に迫りました。 北米に生息するミドリツバメ(学名:Tachycineta bicolor)の生後3日齢の雛。このように未熟な状態で生まれるの

    なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか? – ビッグデータが解明する脳サイズ進化の謎
  • “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは

    車輪生物はなぜいない? 車輪は人間の最も優れた発明のひとつです。私たちは自転車、自動車、列車などを利用して、地表を自由に移動することができます。同じ距離を同じ時間をかけて自転車で移動するのとランニングで移動するのを比べたとき、自転車で移動したほうがはるかに楽なことからも、車輪という移動装置がいかにエネルギー効率の高いものであるかわかります。 生命現象のエネルギー効率は人工機械のエネルギー効率よりも高いと一般的に言われています。それならば、生物は進化の過程で車輪を移動器官として獲得していてもよいはずです。しかし、大腸菌やサルモネラ菌のような細菌の鞭毛のモーター、ウンカの幼虫の後脚の歯車など、回転運動する器官は生体内に存在するものの、車輪そのものを器官として持ち、その器官を使って移動する生物はいまだ発見されていません。 車輪生物がなぜいないのかという疑問はさまざまなところで取り上げられています

    “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは
    taron
    taron 2018/08/21
    「トンチンカンな意見だと思ってもグッとこらえてやめさせなかったのは私のエライところです」w
  • 文系学問は役に立たない?イェール報告の解釈を再考する! | academist (アカデミスト)

    お陰様で目標金額を達成することができました。ご支援ありがとうございました。いただいた資金は下記学会への参加及び資料収集に活用致します。 しかし,研究を安定的かつ継続的に行うためには,更なる資金が必要です。そこで残りの日数でセカンド・ゴールを「40万円」に設定し,引き続きご支援を賜りたく存じます。 【当初目標30万円の資金利用計画】 ・教育思想史学会への参加(9/8~9@大阪) ・教育史学会への参加(9/29~30@東京) ・教育哲学会への参加(10/6~7@山梨) ・上記期間前後での各地の大学図書館等での資料収集費用及び宿泊費 【セカンド・ゴール到達時の資金利用計画】 ・アメリカ教育史研究会への参加(1月) ・世界教育学会発表資料の英文校正費用 以上,引き続きのご支援をお願い申し上げます。 大塚美穂 人が教え、人が育つという教育質はまさに「人」にあるため、人間の寿命という短いサイクルで

    文系学問は役に立たない?イェール報告の解釈を再考する! | academist (アカデミスト)
  • 地球が誕生したのは偶然か、それとも必然か? – 惑星科学者・佐々木貴教助教に聞く

    地球以外に知的生命体は存在するのだろうか——。誰もが一度は抱いたことがあるであろうこの疑問の答えは、未だ明らかにされていない。しかし研究者たちは、観測と理論の両面から研究を積み重ねてきており、すこしずつその答えに迫りつつある。特に、1995年に世界初の「系外惑星」が観測されてからは、人材と資金が集まるようになり、惑星科学分野はこの20年間で急成長を遂げてきたという。今回、地球誕生の起源を理論的に研究する京都大学の佐々木貴教助教に、最先端の惑星科学研究についてお話を伺った。 ーー最近よく話題になる「系外惑星」とは、どのような惑星を指しているのでしょうか。 系外惑星とは、太陽以外の星をまわる惑星を指します。昔から、太陽の周りに惑星があるのなら他の星にあってもいいだろうと考えられてきたのですが、そのような星はなかなか見つかりませんでした。1995年10月に、ペガスス座51番星という星をまわる系外

    地球が誕生したのは偶然か、それとも必然か? – 惑星科学者・佐々木貴教助教に聞く
  • 深海熱水噴出域から浅海へ旅する貝の幼生- 海洋表層で分散するミョウジンシンカイフネアマガイ

    海底火山や海嶺、海洋プレートの沈み込み帯周辺には100℃を超える海水が吹き出す熱水噴出域があり、固有の貝やエビ・カニ・ゴカイ類が生息しています。これらの動物は、太陽光エネルギーに由来する光合成生産には依存せず、熱水に含まれる硫化水素やメタンを用いたバクテリアの化学合成生産に支えられており、深海としては例外的に高密度の集団を形成します。一方、数十年から数百年の時間スケールでみると、個々の噴出域における熱水活動は、衰退・停止することがあります。よって、熱水性種が個体群を維持するためには、離れ小島のように分布する熱水噴出域間を何らかの方法で移動することが必須となります。 稿では、深海熱水噴出域に生息する貝類の一種が、プランクトン幼生期に太陽光の届く水深帯まで鉛直遊泳し、表層流にのって遠方の熱水噴出域へ移動するという初の実験的証拠について紹介したいと思います。 伊豆・小笠原海域の明神礁カルデラ熱

    深海熱水噴出域から浅海へ旅する貝の幼生- 海洋表層で分散するミョウジンシンカイフネアマガイ
  • 地球上で、海はこれからもずっと存在するのだろうか?

    地球を特徴づける海の存在 「地球は青かった」とは、人類で最初に地球を飛び出したユーリイ・ガガーリンの言葉ですが、なぜ青いかというと地球には海があるからに他なりません。では、他の星はどうかというと、地球のように表層に海がある惑星は今のところ見つかっていません(エウロパなど、氷の下に液体の海が存在する衛星はいくつか報告がありますが)。月や火星に探査機が着陸してあたりを見渡してみても、そこには海のようなものは見当たらず、延々と砂と石からなる荒涼とした砂漠が広がっているだけです。 現在の地球(ひまわり9号による撮影、気象庁) では、なぜ地球にのみ海が存在するかというと、それは地球が液体の水が存在する絶妙な条件を満たしているからです。地球では約40億年前に海ができて、それ以降ずっと存在してきましたが、それは地球表層で上記の条件をずっと満たしていたからです。そして、そこにはプレートテクトニクスが関わっ

    地球上で、海はこれからもずっと存在するのだろうか?
  • 歴史学は”論文5年、史料100年” – 小田原藩の歴史を捉え直す東海大学・馬場弘臣教授

    【academistプロジェクト】古文書を翻刻し、新しい江戸時代史像を描き続けたい! 教科書に理路整然とまとめられた歴史的事実を見ると、私たち人間の歴史はあたかもすべて理解されているように思えてしまう。しかし、歴史的事実として明らかになっていることはそれほど多くなく、さらに史実と認められてもその捉えかたは時事刻々と変化するため、何度でも見直す必要があるという。今回、東海大学・馬場弘臣教授に「そもそも歴史学とは何なのか?」という基的事項から、インターネット時代の歴史学研究の可能性について、詳しくお話を伺った。 ーー歴史学者の方々は、日頃どのようなことをされているのでしょうか。 歴史の教科書を読むと、歴史はすでに完成している印象を与えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。たとえば、坂龍馬が暗殺されたことは有名ですが、だれに殺されたのかということは未だ明らかにされていません。私たち

    歴史学は”論文5年、史料100年” – 小田原藩の歴史を捉え直す東海大学・馬場弘臣教授
  • 大分県別府湾から過去2800年にわたるマイワシ・カタクチイワシの魚鱗化石を発見!

    これだけ科学が発達している世の中ですが、私たちが普段口にする魚の個体数の長期的な振る舞いについては実はほとんどわかっていません。漁獲量記録でさかのぼれるのは今から110年くらい前からですが、数百年前、数千年前にどのような種がどれだけの数がいたか、科学的な知見は乏しいと言わざるをえません。ここでは、千年を超える連続的な魚の個体数変動記録としては世界で3例目となる大分県別府湾の海底堆積物中の魚鱗の数から復元されたイワシ類の個体数変動記録について紹介します。 世界の料を支えるイワシ類資源 イワシ類は、世界で最も漁獲される魚で、世界の漁獲の6分の1を占め、ペルー・チリ沖、カリフォルニア沖、日沖、アフリカ西岸沖に有数漁場があります。なかでもペルー沖のカタクチイワシは、多いときで年間1200万トンを超える漁獲があり、そのフィッシュミールや冷凍ものが世界中に輸出され、マグロ・ブリ・ハマチなどの養殖魚

    大分県別府湾から過去2800年にわたるマイワシ・カタクチイワシの魚鱗化石を発見!
    taron
    taron 2017/12/18
    貧酸素環境と産卵場に近いという条件で、イワシ類の長期変動の調査の好適地、と。/レジームシフトに伴う魚種交替は、長期的には、その存在が否定される。/代わりに100年単位の変動やその気候との関わりが明らかに。
  • 進みゆく海洋酸性化とサンゴ礁生態系への影響評価 − 最新の生物飼育実験系と高解像度観察技術で挑む

    海洋酸性化とは 人為的に放出された二酸化炭素(CO2)の増加によって引き起こされる地球温暖化は、陸・海のさまざまな生態系に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。地球的規模の環境問題として、地球温暖化と並んで近年注目を集めているのが、海水中のCO2濃度が増加して、海水中のpHが低下してしまう、「海洋酸性化」と呼ばれる現象です。海洋酸性化が進むと、海水中の炭酸カルシウム飽和度が減少するため、貝類やサンゴのような、炭酸カルシウム骨格を形成する石灰化生物の骨格形成が困難になることが予想されています。 特にサンゴは、高い生物多様性を誇るサンゴ礁生態系の基盤形成の中心を担う生物であるため、サンゴが減少してしまうと、他の多くの周辺生物にも悪影響が出てしまう可能性があります。しかし、海洋酸性化による骨格形成の阻害が、海に生きる多種多様な石灰化生物に実際に起きるのかどうかについては、当初不明な点が多く残

    進みゆく海洋酸性化とサンゴ礁生態系への影響評価 − 最新の生物飼育実験系と高解像度観察技術で挑む
  • ボルネオ熱帯雨林の塩場(しおば)に集う動物たち

    生物多様性の宝庫「熱帯雨林」 熱帯雨林——。野生動物が好きな人なら、反射的に耳を傾ける言葉でしょう。そこは地球の陸地面積の7%程の場所に過ぎませんが、生きものの50%が生息するといわれるほど、多様性が高い森です。 ボルネオ島の熱帯雨林(マレーシア・サバ州デラマコット商業林) 熱帯雨林にはさまざまな動物が生息しています。しかし、森の中には動物が多い場所、少ない場所があり、その分布は一様ではありません。動物は一体どんな場所をよく利用するのでしょうか。大きく影響するのがべ物です。たとえば、イチジクやドリアンなどの果実がなった木、倒木によって日光が林床まで差し込み、先駆植物(成長にエネルギーを投資するため毒成分が少ない)が繁茂する林冠ギャップなどがあるでしょう。しかし、果実はいずれ無くなり、先駆植物もあっという間に成長するため、そのような環境は一時的です。それでは恒常的に動物の利用が多い場所はあ

    ボルネオ熱帯雨林の塩場(しおば)に集う動物たち
    taron
    taron 2017/07/19
    熱帯雨林の塩場の生態的重要性を明らかにしたと。環境中のDNA片の解析と自動カメラの観察を合わせて、絶滅危惧種の生活の拠点になっているという。オラウータンが、交尾の相手を見つける場所としても、重要と。
  • 富士山頂の大気中二酸化炭素濃度を7年間測定して明らかになったこと

    大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の長期的な変動を理解するためには、人為的に排出されるCO2(工場や自動車から排出されるCO2)や、植生の呼吸によるCO2排出・光合成によるCO2吸収の影響をほとんど受けない地点(たとえば太平洋・インド洋・大西洋の中央に位置する小さな島や南極など)での大気中CO2濃度観測が必須です。他方、大気中CO2濃度の増加あるいは低下に寄与する要因(たとえば大都市が集合する地域あるいは森林が広範囲に分布する地域など)の近くでの大気中CO2濃度観測は、それらの要因の変動を検証できるため、今後の大気中CO2濃度の予測に重要です。 日中国を含む東アジア中緯度は、人為的に排出されるCO2量が世界で最も多い地域のひとつで、かつ夏期における植生によるCO2吸収が盛んな地域です。そのため、この地域のCO2の排出および吸収は、全球の炭素循環に強い影響を与えていると考えられています。

    富士山頂の大気中二酸化炭素濃度を7年間測定して明らかになったこと
    taron
    taron 2017/06/22
    うーん、結局、富士山頂が周囲からの影響を受けているのか、受けていないのか、よく分からないのだが…/夏季しか電気が供給されない富士山頂での観測システムの工夫など。
  • 村上先生のアリ研究記(1)- 農業するアリ”ハキリアリ”の生態に迫る!

    この文章を、私の研究人生のなかで最も長い時間ともにいる、ハキリアリの話から始めよう。ハキリアリは、その名のとおり葉を切るアリである。森から葉を切り出し、数百メートルに渡って緑の川をつくり、巣へと運んでいく。アマゾンを中心とした新熱帯域に生息するアリで、16属256種の存在が知られている。 ハキリアリが、森から葉を切り出し、巣に持ち帰るところ。撮影はパナマ共和国、バロコロラド島。撮影者は竹中工務店・宮田弘樹氏。 ハキリアリと人との関係 このアリは、古くから人間との関わりの深い生物である。アステカ文明の神話をまとめた「Los Viejos Abuelos」によると、アステカ文明の第五の太陽神の時代、農業の神であったケツァルコアトルは、太陽神からの命を受けて、地上の人間たちの安定した料生産のための方策を練っていた。ある日、ケツァルコアトルは、一匹の赤いアリが何かの種子を運んでいることを発見した

    村上先生のアリ研究記(1)- 農業するアリ”ハキリアリ”の生態に迫る!
  • 科学史の研究って、どんなことをしているの? – 国立科学博物館・有賀暢迪研究員に聞く

    科学史という研究分野をご存知だろうか。言葉をそのまま解釈すると、科学と歴史を組み合わせた学問というように捉えることができる。しかしながら、科学という言葉には多様な意味が含まれており、また歴史を調べるにしてもいつからいつまでの出来事をどのように分析するのか等、考える余地が多すぎるように思える。実際のところ、科学史研究はどのように進められているのだろうか。今回、国立科学博物館・有賀暢迪研究員に、科学史研究の基的な考えかたや、実際の研究テーマに関してお話を伺った。 ーー科学史とは、何を明らかにするための学問なのでしょうか。 読んで字のごとく、科学の歴史を明らかにすることを目的としています。ただ、「科学」という言葉で何を指すかは、人によって違うのではないでしょうか。たとえば、教科書や論文に書かれているような知識そのものを「科学」と捉えることができます。この場合、科学的知見が得られて定着するまでの

    科学史の研究って、どんなことをしているの? – 国立科学博物館・有賀暢迪研究員に聞く
    taron
    taron 2017/05/07
  • 絶滅の危機にある希少種がなぜか大量発生! – 生態系に改変をもたらす動物とは

    突然ですが、みなさんはシカと聞いてどういうイメージをお持ちになるでしょうか? 修学旅行の定番である奈良公園や宮島でシカとふれあい、その可愛さに癒された人も多数いらっしゃると思います。 そんなシカですが、近年日各地でニホンジカの個体数が増加し、森林や草原の生態系に大きな変化が起こっています。京都府南丹市にある京都大学芦生研究林もそんな場所のひとつです。芦生研究林は、近畿地方で最大規模の原生林を保有し、著名な植物学者であるの中井猛之進博士に「植物を学ぶものは一度は京大の芦生演習林を見るべし」と言わしめたほど、生物多様性の高い森林です。しかし、そんな芦生研究林も1990年代からニホンジカが増加してしまったことで、ササやアザミをはじめとするシカの好む草類がべ尽くされてしまいました。一見すると林内にはたくさんの草が見られますが、実はそれらのほとんどはシカのべない植物(不嗜好植物)なのです。

    絶滅の危機にある希少種がなぜか大量発生! – 生態系に改変をもたらす動物とは
    taron
    taron 2017/03/28
    鹿が増える→鹿が嫌いな植物のみが残る→希少なバイケイソウがたくさん生える→バイケイソウを食い荒らす希少種のバイケイソウハバチが大量発生。
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