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  • コロナ第10波の兆し、今後「心不全パンデミック」の恐れも、研究

    新型コロナウイルスの感染は昨年11月下旬から年が明けても増える傾向が続き、流行の「第10波」の兆しも見せている。理化学研究所(理研)と京都大学の共同研究グループは昨年末、症状が収まった後もウイルスが心臓に残存すると心不全のリスクが高まる可能性があると発表した。同5月に感染症法上の位置付けが5類に移行し、人々は「コロナとの共生」の日常に戻っているが、流行ウイルスの性質が大きく変わったわけではなく、油断はできない。厚生労働省は今冬期の流行拡大に注意を呼びかけている。 国内初感染確認から4年でまた増加傾向 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから1月15日で4年が経過した。5類移行後は感染実態の把握方法は全数把握から全国約5000の定点医療機関による定点把握に変更された。厚労省によると、定点把握の感染者数は移行後も増え続け、昨年8月末から9月上旬には1医療機関当たり約20人になり流

    コロナ第10波の兆し、今後「心不全パンデミック」の恐れも、研究
  • コロナの心臓への攻撃方法を解明、動脈に直接感染していた

    ヒトの心臓。心臓の筋肉に血液を送る動脈と静脈が見える。血管に色素を注入したため、心臓に張り巡らされた最も細い毛細血管まではっきりと見ることができる。(PHOTOGRAPH BY SCIENCE PHOTO LIBRARY) 新型コロナウイルスが深刻な心血管系の問題を引き起こす場合があることは、これまでの研究で示されている。特に、血管に脂肪物質が蓄積している高齢者では、そのリスクが高い。このほど、それがどのようにして起こるのかを示した研究結果が発表された。 2023年9月28日付けで医学誌「Nature Cardiovascular Research」に発表された論文は、新型コロナウイルスが心臓の動脈に直接感染することや、プラークをつくる細胞のなかでウイルスが生き残り、増殖することを明らかにした。プラークは、脂質を取り込んだ細胞が動脈の壁に蓄積したもので、動脈が狭くなったり硬くなったりする動

    コロナの心臓への攻撃方法を解明、動脈に直接感染していた
  • 処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見

    かつてアン・ブーリンが所有していた時祷(じとう)書に紫外線を当てると、肉眼では見えない文字が余白に浮かび上がる。運命に翻弄された王妃の時祷書は、1536年に彼女が処刑された後に所在が分からなくなり、1903年ごろに発見された。(PHOTOGRAPH COURTESY HEVER CASTLE & GARDEN) 英国王ヘンリー8世の2番目のであるアン・ブーリンはしばしば「男を誘惑する女」として、また最終的に英国の宗教のあり方が変わる原因となった女性として描かれる。だが実際のブーリンは、教育と宗教改革に身をささげる知的で信仰心のあつい女性だった。 しかし、1536年5月にブーリンが姦通と近親相姦という無実の罪を着せられて逮捕され、処刑された後、ヘンリー8世は彼女のことを忘れようと決意した。ブーリンの紋章は宮殿の壁から取り去られ、きらめく宝石は暗い金庫にしまい込まれ、彼女が所有していた貴重な

    処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見
  • 「スーパー捕食者」アノマロカリスは硬いものが苦手だった、研究

    アノマロカリスの付属肢。アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、多種多様な生物が現れたカンブリア紀の海で栄えた初期の捕者だった。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION, ROMIP SPECIMEN 62543A. PHOTOGRAPHED AT THE ROYAL ONTARIO MUSEUM) アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)は、地球上で最初に登場した「スーパー捕者」のひとつと考えられていた節足動物だ。飛び出た複眼や、円形の奇妙な口器、そして一度つかまれたら逃れられないような付属肢を頭部に一対もつ姿は、カンブリア紀の海底に生きる小さな生物に恐れられていたに違いないと思わせる。しかし、このほど新たな分析によって、アノ

    「スーパー捕食者」アノマロカリスは硬いものが苦手だった、研究
  • クマの仲間の祖先“子ネコカワウソクマ”の化石、新種として記載

    新しい化石種「Eoarctos vorax」。約3200万年前、現在の米国ノースダコタ州の川辺に暮らしていた。アライグマに似たこの種は、哺乳類の進化における重要な時代を生きていた。(ILLUSTRATION BY MARK HALLETT) クマの最も古い仲間の一つは、グリズリー(ハイイログマ)というよりはアライグマに似た姿をしていて、カタツムリの殻をかみ砕くのが好きだったようだ。「Eoarctos vorax」と名付けられたこの化石哺乳類は、格的な哺乳類の時代に突入した約3200万年前、スカンクやアライグマ、クマ、さらにはアザラシを含むグループがどのように始まったかを解明する手がかりになるかもしれない。(参考記事:「太古の「百獣の王」、新種の絶滅哺乳類を発見」) 古生物学者たちは何十年も前から、Eoarctosの謎を解こうと試みてきた。米国ノースダコタ州のフィッテラー・ランチでは194

    クマの仲間の祖先“子ネコカワウソクマ”の化石、新種として記載
  • 「感染力は最強」、コロナXBB.1.5について今わかっていること

    オミクロン株のウイルス粒子(オレンジ色)に感染した細胞(紫色)の着色走査型電子顕微鏡写真。新型コロナ感染症の患者から分離した。(MICROGRAPH BY NIAID/NIH) 極めて感染力の強いオミクロン株の亜系統「XBB.1.5」は現在、米国で支配的な株となっている。初期のデータは、以前に獲得した免疫をXBB.1.5がほかの変異株より効果的に逃れていることを示しており、公衆衛生当局者の間では、冬の間に感染の波が起こるのではないかとの懸念が高まっている。 2022年12月から2023年1月の第一週までに、XBB.1.5の割合は、米国全土で確認された新型コロナウイルス感染症の陽性例の約1%から40%以上にまで急増した。北東部の州では、12月25日からの1週間における全症例の75%以上をXBB.1.5が占めた。一方で、この株がより重症化するかどうかを示すデータはまだ存在しない。 「XBB.1

    「感染力は最強」、コロナXBB.1.5について今わかっていること
  • ”純粋なアメリカバイソン”はいなかった、「純血種保護」に衝撃

    米国モンタナ州の先住民ブラックフット族の居留地で草をアメリカバイソン。人間との軋轢の結果、すべての野生のバイソンが家畜ウシの遺伝子をわずかに持つようになったことが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY KILIII YUYAN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) かつて、北米大陸には何千万頭ものアメリカバイソン(Bison bison)が生息し、膨大な数の群れが全土に分布していた。しかし、ヨーロッパ人が北米大陸を植民地化し、開発のためバイソンを大量に殺戮した結果、1870年代には絶滅寸前の500頭前後まで減少した。 野生のバイソンは、現在の米イエローストーン国立公園にあたる地域やカナダの一画で細々と生き延びていた。一方で、バイソンとウシを交配させ、より優れた“牛肉”を作り出そうと試みた牧場主によって保護されたバイソンもいた(残念ながらその試みはうまくいかなかった

    ”純粋なアメリカバイソン”はいなかった、「純血種保護」に衝撃
  • 絶滅とされた古代ローマ「幻の植物」をおそらく発見、食べてみた

    マームット・ミスキ氏の手のひらに置かれたフェルラ・ドルデアナの花。トルコ中央部ハッサン山の近くで採取したもの。(PHOTOGRAPH BY ALICE ZOO) 黄金の花を咲かせる植物「シルフィウム」は、古代ギリシャの勃興前からローマ帝国の最盛期まで、地中海世界で最も愛された材のひとつだった。 腹痛からイボの除去まであらゆる症状に効く万能薬とされたほか、レンズマメを煮込む際に香辛料として使われたり、最高級のフラミンゴ料理に添えられたりもした。ユリウス・カエサルがローマに君臨した時代には、黄金とともに500キロ以上のシルフィウムが宝物庫に貯蔵され、その苗には銀と同等の値がつけられたという。(参考記事:「古代ローマで大人気、万能調味料「ガルム」とは」) シルフィウムに関する最古の記録は、紀元前638年のもの。北アフリカ、現在のリビアがあるキレナイカの沿岸で「黒い雨」が降った後にこれが生えたと

    絶滅とされた古代ローマ「幻の植物」をおそらく発見、食べてみた
  • 絶滅寸前のオオカミ、10頭を野生に放つも「失敗」、米国

    米国テネシー州で飼育されているアメリカアカオオカミのルビー。野生に放った際に生存率を高めるため、多くのアメリカアカオオカミが事前にこのような類似環境で育てられる。(Photograph by Jessica A. Suarez, Nat Geo Image Collection) 米国に生息するアメリカアカオオカミ(Canis rufus)は、世界で最も絶滅に近いオオカミだ。1980年には野生での絶滅が宣言され、その後、飼育下の個体を野生に放つ取り組みが続けられてきた。 2022年2月~4月、米国魚類野生生物局が長年取り組む回復プログラムの一環で、合計10頭のアメリカアカオオカミが、飼育下からノースカロライナ州の野生動物保護区に放たれた。これによって、野生下にあるアメリカアカオオカミの数は、ほぼ倍の20頭になった。 この取り組みは、センサー付きカメラを通じて世界中に配信され、自然保護団体は

    絶滅寸前のオオカミ、10頭を野生に放つも「失敗」、米国
  • 第7回 「ウクライナ侵攻はない」と旧ソ連の専門家はなぜ主張したのか

    未承認国家というあまり知られていない現象を視野に置くことで、2022年のロシアウクライナをめぐる情勢がどのように見えてくるのか、その景観を廣瀬さんに教えてもらってきた。 ここで、少し翻って、廣瀬さんがなぜ、このように深く、旧ソ連諸国に関心を抱くようになったのか聞いておきたい。 そのような質問をすると、廣瀬さんは、「思い切り振り返りますと──」と小中学生だった頃の話から聞かせてくれた。 「もとはと言えば、技術指導で祖父がソ連に長期出張していたことがあると思います。祖父から聞くソ連の姿は、とにかく日しか知らなかったわたしにとって、異質なものでした。現地ではずっと見張りがついて、ホテルでも監視されるし、日曜日もずっとKGBがくっついてくるから、動物園にでも行くしかなかったとか。レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に行きたいと思って何度も申請を出したが通らなかったとか。べ物がヨーグル

    第7回 「ウクライナ侵攻はない」と旧ソ連の専門家はなぜ主張したのか
  • 第4回 世界の沈没船の発掘現場を次々とめぐって気づいたこと

    山舩晃太郎さんは、2010年代後半を、まさに「7つの海」の沈没船遺跡を次から次へと転戦し、研究の進展に貢献してきた。新型コロナ感染症のパンデミックで中断されるまで、1年のうちの10カ月間ほどを海外で過ごしており、日にいる2カ月間も、九州での共同研究や、東京での講義など、常に旅の中にあった。 山舩さんは、この時期に世界で一番、多くの沈没船の発掘現場の場数を踏んで経験を増した水中考古学者だと断言できる。沈没船の考古学者が一生のうちに関わる沈没船は、多くてもせいぜい10~20隻だという。しかし、フォトグラメトリの技術と、多くの沈没船を見てきた目の確かさを見込まれ、依頼を受けて各地を飛び回る山舩さんのペースだと、2年間で他の人の一生分の現場を踏むことになるのである。 そういった経験を通じて、山舩さんの中には、様々な思いが蓄積しているはずだ。それはどんなものだろうか。

    第4回 世界の沈没船の発掘現場を次々とめぐって気づいたこと
  • 異形の宗教集団のライフスタイルが米国で脚光を浴びる理由

    米マサチューセッツ州のハンコック・シェーカービレッジには、19世紀のシェーカー教徒が建てた農場の貴重な建物が多く保存されている。(PHOTOGRAPH BY BERTHOLD STEINHILBER, LAIF/REDUX) 1774年、キリスト教の一派であるシェーカー教徒が英国から米ニューヨークに到着した。当時、この宗教集団が守る英国の伝統や勤勉さ、キリスト教信仰の深さは特異的で、たちまち異形と見なされた。「厳格で狂信的な宗教集団であり、工業技術を拒否している、しかも到底無理な独身主義を貫いている」――そんなうわさや作り話が広がった。こうした状況では、1800年代の最盛期でも、19のコミュニティーに合計5000人ほどしか信者がいなかったのも不思議ではない。 だが、シェーカー教徒は、米国文化に多大な影響をもたらした。今日でも、マサチューセッツ州西部とニューヨーク州東部が接する森林地帯に、シ

    異形の宗教集団のライフスタイルが米国で脚光を浴びる理由
  • 世界最小のカタツムリを発見、なんと砂粒大

    ボールペンのペン先と、ベトナム北部の洞窟内で発見された世界最小のカタツムリ「アングストピラ・プサミオン(Angustopila psammion)」。(PHOTOGRAPH BY BARNA PÁLL-GERGELY) 砂粒ほどの大きさの、地球で最も小さいカタツムリの新種が2種見つかった。 「これほど小さな陸生貝が見つかるとは、当に意外でした」と驚くのは、スイス、ベルン自然史博物館の研究員で、ドイツ、ゼンケンベルク研究所にも所属しているアドリエンヌ・ヨッフム氏だ。 新記録を打ち立てたカタツムリの小ささは、その学名「アングストピラ・プサミオン(Angustopila psammion)」に現れている。「プサミオン」は、「砂粒」を意味する古典ギリシャ語に由来する。1月5日付けで動物学の専門誌「Contributions to Zoology」に発表された論文によると、殻の直径がわずか0.6m

    世界最小のカタツムリを発見、なんと砂粒大
  • トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰

    立ちのぼる噴煙の中、1分あたり5000~6000回という記録的な頻度で火山雷が発生した1月14日の様子。(PHOTOGRAPH BY TONGA GEOLOGICAL SERVICES, REUTERS) トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイは、もともとは山頂の一部だけを海面から覗かせていた細長い2つの小さな島で、フンガトンガ島とフンガハアパイ島と呼ばれていた。2014年の噴火で第3の島ができると、やがて、3つの島がつながって1つになった。2021年12月の噴火では、噴出した火山岩と火山灰によって新たな土地が生まれ、島は徐々に大きくなっていった。 そして2022年1月15日の大噴火となった。衛星写真で見ると、巨大火山はほぼ完全に海中に没し、見えているのは2つの小さな岩礁だけになった。しかし、数週間後か数年後には、火山は再び隆起するはず

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  • トンガ火山噴火、何が起きたのか、1秒間に100回の雷

    2022年1月15日、トンガ王国の海底火山が恐ろしいほどの大噴火を起こした。日の気象衛星が撮影したこの画像の右手に噴火の様子が確認できる。(PHOTOGRAPH BY JAPAN METEOROLOGY AGENCY VIA AP) 2021年末、南太平洋の島国トンガで、海面から顔を出していたある火山島フンガトンガ・フンガハアパイが噴火を始めた。当初は灰色の噴煙と控えめな爆発が起こる程度のもので、トンガの住民以外に気付く人もほとんどいなかった。 年明け早々にいったん活動が穏やかになったが、その後一転して激しくなり、高く上がった火山灰の柱は、記録的な量の雷を発生させた。「1分間に5000〜6000回、つまり1秒間に100回の雷が発生するようになったのです。信じがたい量です」。気象測定を行うフィンランドの企業ヴァイサラ社のクリス・バガスキー氏はそう述べている。 そして1月15日、火山は凄まじ

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  • 第6回 私たちはなぜこんなにも北欧の神話が好きなのか

    これはいわば「マンガ日神話」「マンガ日史」のようなを我々が持っているのと同様のことだと理解する。日でもここまで北欧神話人気が定着しているなら、翻訳のニーズはあるのではないだろうか。 そして、その上で、日の著者ではというと── 「まずは『ヴィンランド・サガ』をお薦めしたいですね。2005年に連載が始まり、今も連載中の21世紀の作品です。あの中にはいろいろな要素が含まれているんですけれども、一番意義深いのは著者の幸村誠先生がとても勉強家であるということです。ちょっと天才だろうなって思います(笑) ご人は英語はそんなにできないっておっしゃるんですけれども、英語のできない人がとてもこれだけの取材はできないってくらい、世界各国から取材をなさっていることは明らかですね。資料だけでも研究者並みにそろえていらっしゃると思います。何よりもかによりも私がナショジオの読者に申し上げたいのは、これは日

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  • 野生のキリンが増えている、最新報告

    アフリカのマディクウェ動物保護区に暮らす2頭のオスのキリン。野生のキリンの個体数は、2015年から大幅に増加している。(PHOTOGRAPH BY SHANNON WILD, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 「静かなる絶滅」に向かっていると言われているキリンが、新たな調査によると、個体数を増やしつつあるという。昨今の自然保護においては珍しい、明るいニュースだ。 最新の調査データを分析したところ、現在のアフリカ大陸のキリンの個体数の合計は約11万7000頭。前回大規模な調査が行われた2015年の推定数から、約20%増加している。 アフリカ南西部の国ナミビアに拠点を置く「キリン保全財団」の共同代表ジュリアン・フェネシー氏によると、純粋に数が増加した地域もあるが、統計データの精度が上がったことも一因という。同氏は、「いずれにしろ、このように数が増えるのはうれしいことです」と

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  • 地下水が危機、今世紀半ば18億人に打撃

    米カンザス州の穀物畑を潤すピボット式スプリンクラーの灌漑システム。それぞれがオガララ帯水層から、1分間に何百リットルもの水をくみ上げている。(PHOTOGRAPH BY RANDY OLSON, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 気温の上昇と、米や小麦といった穀物の需要増加によって、世界の地下水は今後数十年のうちに激減する可能性があるとする研究結果が発表された。(参考記事:「地下水が枯れる日」) 我々の料のほぼ半分が、地球上の温暖で乾燥した地域で生産されている。そうした場所では、穀物に水を供給するために地下水の過剰なくみ上げが行われており、帯水層と呼ばれる地下の貯水層の水量が急速に減少している。最新の研究によると、今世紀半ばには、インド、パキスタン、ヨーロッパ南部、米国西部の広い範囲で帯水層が枯渇する可能性があり、そうなれば料供給が打撃を受け、また18億人もの

    地下水が危機、今世紀半ば18億人に打撃
  • ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、宇宙空間での機体展開に成功

    宇宙空間での展開に成功したジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の想像図。(ILLUSTRATION BY NASA) 2021年のクリスマスに打ち上げられたジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡が、最も難しいミッションである機体の展開作業を無事成功させた。折りたたんだ状態で宇宙へ打ち上げられた後、目的地を目指して移動しながら機体の各部位を展開させる作業は、万に一つの失敗も許されない危険なステップをいくつも踏む必要があった。 ウェッブ計画に携わる科学者やエンジニア、それを見守る宇宙マニアにとって、この15日間は緊張の連続だった。全ての段階を、一つずつ順番に、完璧にこなさなければならない。事前に地上で練習を重ねていたものの、実際に宇宙でどうなるかは予想がつかなかった。一カ所でも間違えば、始まったばかりのウェッブ計画は早々と終了してしまうかもしれなかった。しかし1月8日、主鏡の展開が成功したことによって、展開

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、宇宙空間での機体展開に成功
  • 謎に満ちた「ルリスタン青銅器」、誰が作ったのか | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    紀元前700年頃に作られたルリスタンの精巧な馬具。神話上の獣を手なずける角の生えた人物が表現されている。(ARTOKOLORO/ALAMY) 1920年代後半、精巧な青銅器が古美術品市場に溢れ出した。人物や動物をかたどった馬具やピン、浮き彫りを施したカップなど、どれも繊細で美しい品々ばかりだったが、その由来について詳しく知る者はいなかった。美術商たちに尋ねても、詳しい地名や集落ではなく、イランのザグロス山地にある一地方を示すのみだった。ルリスタン(現在のロレスタン)だ。 ルリスタン青銅器の氾濫は、1928年秋、イラン西部のハルシンという静かな町から始まった。ある農夫が畑で美しい青銅器をいくつか発見したのがきっかけだ。噂は広がり、やがて町には美術商が殺到するようになり、青銅器は博物館や個人収集家へと売り渡された。 学者や地元の人々の間からは、自分たちも青銅器を発掘したいという声が多かった。当

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