文・写真/ナガオヤヨイ(海外書き人クラブ/台湾在住ライター) 台湾に来て間もない頃、買い物先で言葉が通じなくて困っていたら、店員さんがスマホでグーグル翻訳の画面を出して入力し始めた。のぞいてみると、キーボードにはひらがなやカタカナのようだが判読できない不思議な文字。彼女が両親指で連打すると、みるみる漢字に変換されて中国語の一文が現れた。 中国語にはこんな文字もあったのか…人生まだまだ知らないことだらけだと思っていたが、後日、世界でも台湾だけで使われている中国語の発音記号だと知った。「注音符號(チューインフーハウ)」という。 台湾で「ボポモフォ」と呼ぼれる発音記号。ひらがなやカタカナのように漢字由来といわれる 注音符號は37字からなり、子音を表す「聲符(シャンフー)」21字と、母音を表す「韻符(インフー)」16字で構成されている。最初の4字「ㄅㄆㄇㄈ」の読みから「bopomofo(ボポモフォ