五山の送り火の一つ「鳥居形」(京都市右京区)周辺の景観を守ろうと、地元の嵯峨鳥居本の住民らがこのほど、市に条例に基づく保全を求める提案書を提出した。鳥居形がともされる曼荼羅山(標高153メートル)の麓には、住宅開発の計画があり、送り火の眺望が損なわれる恐れがあるという。 提案書などによると、鳥居形を望む嵯峨鳥居本六反町には農地だった場所に、2階建ての住宅10戸が建築される計画があり、既に市は開発許可を出している。開発予定地は約2300平方メートル。計画通りに住宅が建つと、地元住民らが毎年送り火を見に訪れる「まんだら橋」付近から鳥居形が見えなくなる可能性があるという。 申請したのは大学教授や地元住民ら9人。提案書では、視界に入る景観を保全する市眺望景観創生条例に基づき、建築を制限する際の基準地点(視点場)にまんだら橋を加え、鳥居形の眺望を保全するようを求めている。提案書を手渡した鳥居本町自治