“グラフィック・ノベル”とは何だろうか?開いてみると、コマ割りの、いわゆるマンガ仕立てになった絵のページが目に飛び込んでくる。マンガとは違うの?という素朴な疑問。また、ほとんどが外国人作家によるもので、書店によっては外国文学の棚に置かれている。なるほど、ノベル(小説)でもある、と少し合点がいく。 最近、日本のグラフィック・ノベル好きの間で人気が高まってきているのが、アメリカのエイドリアン・トミネである。昨年公開されたフランス映画『パリ13区』の原作となったことでも話題になった。そのトミネの日本語版の担当編集者である国書刊行会の樽本周馬さんに、グラフィック・ノベルの魅力について話を伺った。 国書刊行会で、エイドリアン・トミネなどのグラフィック・ノベルの編集を手がける樽本周馬さん。『キャメラを抱いて走れ! 撮影監督 仙元誠三』(仙元誠三・山本俊輔・佐藤洋笑)や、『乱視読者のSF講義』(若島正)