「一兵卒」という言葉に共感してしまう人たちがいる。「国家や組織のためなら死んでも構わない」という滅私奉公のロマンに酔っているのだ。コラムニストの河崎環氏は「『一兵卒』とは『社会のネジ』になるのと同じこと。多様性が求められる現代社会で、そうした意識の人は通用しない」と指摘する――。 「一兵卒」にじわっとロマンを感じる組織人 8年前、小沢一郎氏の「一兵卒として微力を尽くす」という発言によって、「一兵卒」という言葉が注目を集めた。大組織に属する小さく謙虚な存在、との意味らしいが、いまだにこの言葉を使う人たちがおり、筆者は耳にするたびに強烈な違和感をもつ。理由のひとつは軍隊のメタファーだからだろう。 当時、民主党最大の実力者であった小沢氏が「一兵卒」という言葉を使ったことで、そのギャップは戦争を知らない世代の人々に「なに言ってんだ」と面白がられ、同年の流行語大賞候補に挙がるほどだった。だが、この言
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