「文豪」の異名を持つ超エリート 日銀きってのリフレ派として知られる原田泰政策委員会審議委員の発言が、いまメディアで取り沙汰されている。 原田氏が講演で、ナチス・ドイツの指導者ヒトラーの政策について「正しい財政政策をした」と肯定的な発言をしたとして、一部から批判を浴びたのだ。同氏の考え、そしてこの発言の真意にはなにがあるのか。 原田氏は、現内閣府の経済企画庁出身の元役人である。 経企庁は、「官庁エコノミスト」を志す人間にとっては憧れの官庁だった。官庁エコノミストは「経済白書」を執筆するなど、一般的な役人と違って実名で書物を執筆することがあり、「経済白書の執筆が最高の栄誉」と考える人もいる。原田氏も役人時代から多作で、単著だけで30冊以上の本を書いていることから「経企庁の文豪」というニックネームまで得ていたほどだ。 並の学者よりも多作な原田氏だが、著作でカバーする分野も年金制度から少子化と人口