九州大学理事として産学官連携とグローバル対応を務める若山正人氏は、純粋数学の研究者という、産学連携担当としては異例の経歴を持っています。世界でも珍しい産業数学の研究拠点「マス・フォア・インダストリ研究所」の設立を主導するなど、「数学と産業との連携」を積極的に牽引してきた若山氏に、数学の持つ可能性や産学連携の現状と課題、そして大学にとっての産学連携の意義について、お話を聞きました。 ※このログは、LINK-Jの記事を転載したものに、ログミー編集部で見出し等を追加して作成しています。 産業応用を通じて数学のさらなる発展に挑戦 ―純粋数学の研究者である先生が、産学連携をご担当されているというのは非常に異色だと感じます。 若山正人氏(以下、若山):産学連携を担当した当初は、数学者であるということで、産業界の関係者などは戸惑われたこともあったようです。その上、ウェブなどから分かるこれまでの研究業績や