記事:筑摩書房 多数派であるのに多くの男性がこれを恥じ、秘密にしようとするのはなぜか? illustration: shiohida 書籍情報はこちら 本書は『日本の童貞』の著者による、男性の性をめぐる「恥」の概念の歴史分析第二弾である。『日本の童貞』が性経験に関する「恥」を主題とするものであったのに対し、今作は性器の形状に関する「恥」が主題となっている。 「包茎」を恥とする考え方の歴史的変遷について、本書は主として「包茎治療」の広告を資料としながらおおむね次のような発見をしている。包茎を恥とする考えは遅くとも19世紀末からあったが、当時それは必ずしも「恥ずかしいものだから」以上に明確に言語化されたものではなかった(著者はそれを「土着の恥ずかしさ」と呼ぶ)。 「女性の目」を使って男性を不安に駆り立てる広告戦略 戦後になると「美容整形パラダイム」のもとで包茎手術の広告が打たれるようになる。こ