シェアハウス融資で不正問題を起こしたスルガ銀行(静岡県沼津市)に対し、金融庁は一部業務停止という厳しい処分に踏み切った。金融庁検査では、すでに判明していた不動産投資向け融資の不正に加え、創業家への不透明な融資や、暴力団関係者への融資も判明。融資残高の大部分で不正が疑われる異常事態で、再建への道のりは厳しい。(山口博敬、福山亜希、柴田秀並) 不透明融資、暴力団にも 「非常に多くの顧客からお叱りを頂いている。まずはおわびを申し上げ、業務改善計画を策定して着実に実行し、信頼関係をもう一回築き上げたい」。5日夕、処分公表後のスルガ銀の記者会見で、有国三知男社長はそう述べた。 金融庁によると、シェアハウスなどの投資用不動産融資では、不動産業者が物件の賃料や入居率を改ざんし、かさ上げされた物件価格をもとに多額の融資が行われた。行員も改ざんを促したり自ら行ったりした。 審査部は資金使途や保有資産の確認を