先の米大統領選挙では電子投票のシステムがハッキングによって外部から操作された可能性が取りざたされ、ウィスコンシン州では再集計する騒ぎにまで発展した。同州では紙の投票用紙を使っていた投票所ではクリントンが圧倒的多くの票を集めていたのに対し、電子投票を採用した投票所ではトランプ候補の得票が不自然に多かったからだ。 しかし、最終的には裁判所が電子投票システムのフォレンジック(鑑識)を認めなかったため、実際にハッキングがあったかどうかは究明されないままに終わっていた。 トランプ政権が発足する直前の2017年1月、オバマ政権は、民主党全国委員会のサーバーやクリントン陣営の選挙参謀のメールサーバーをハッキングし、メールを抜き取った上で、それをウイキリークスに流したのが、ロシア政府系のハッカーだったと結論する報告書を作成し公表した。しかし、その段階ではそれ以上のことを突き止めることはできていなかった。