政府による資金支援の前提となるコスト削減策を盛り込んだ東京電力の総合特別事業計画が9日、枝野経済産業相の認定を受け、尾瀬国立公園内の東電保有地が資産売却の対象から外れた。 原発事故被害者への補償金捻出のため売却も懸念されていたが、東電は、水力発電を支える電気事業資産として、保有継続を決めた。 群馬、福島など4県にまたがる尾瀬国立公園約3万7200ヘクタールのうち、東電が保有するのは、尾瀬を象徴する湿原・尾瀬ヶ原も含まれる群馬県側の約1万6000ヘクタール。特別保護地区では全体の7割を東電保有地が占め、東電は、木道改修や植生復元などの維持管理費に毎年約2億円を拠出してきた。 総合特別事業計画は、電気事業関連資産以外は原則、全て売却する方針を打ち出しているが、尾瀬沼下流の片品川には計8か所の水力発電施設があるため、「発電を支える水源地として保有を続ける必要があると判断した」(東電広報部)という