コピペ連打の非情 「吹きだしで考えるマンガ論」を看板に掲げるこの連載にとって、ポプテピピック第一巻の4話目は格好の対象である。何しろ吹きだしそのものがギャグの素材になっているからだ。 無粋を承知であえて筋書きを説明するとこうだ。「私ハリフキダシ見ると死んでしまいます」というポプ子に対して「えッ!?」とピピ美がハリフキダシで叫ぶと、ものの見事にポプ子は倒れ、さらに「えッ!?」で、ポプ子は天使になり、さらにさらに「えッ!?」でその天使まで倒れてしまう。 この4コマのおもしろさで目立つのは、声そのものではなく「ハリフキダシ」というマンガの記号によって死ぬ、という点だろう。マンガというメディアをメタ化しているポプテピピックに似つかわしいギャグではある。 しかし、「ハリフキダシが凶器化する」ということ自体は最初の2コマですでに表されている。4コマ全体のおもしろさを考えるには、別の点に注意して読む必要