そもそも70年代後半から80年代初頭にかけての、俗に言うロリコンブームにおいては、漫画は一大勢力を誇るメディアだった。そんなことはWEBスナイパーの読者諸兄におかれては常識だろうし、そうでない者でも吾妻ひでおや内山亜紀の名は知っているかもしれない。 現在はどうか。現在ではそもそもロリコンブームというもの自体が成立していない。2003年あたりから活況を呈した「萌え」を合い言葉にしたオタク文化は、当初ロリコンブームの歴史的な文脈に関連づけて語られることも多かったように思うが、ここまでアニメや漫画などのジャンルが一般化した今では、そうした主張もなりを潜めている。言い方を変えれば、ロリコンという価値観じたいが――そしてアティチュードとしてのオタクも――、一般化されたアニメや漫画などのカルチャーの中に取り込まれている。それは広大なポップカルチャーの中でフェティッシュの一種でしかない。 「ロリコン」と