文芸批評と文学研究の雑誌『文学+』 運営「凡庸の会」、3号刊行中。 WEB版は中沢エクセルシオール忠之が運営。 連絡はbonyou.org@gmail.com 雑誌の購入はTwitterのプロフィール欄から是非! https://twitter.com/bungakuplus
第七回 死を分かち合う 倉数茂 0 ファイト・クラブ 前々回から、現代社会で人と人との関係性・共同性のあり方がどのように変化したかをフィクションの分析を交えて考察しています。 今回まず取り上げるのは、アメリカの作家チャック・パラニューク(1962ー)の『ファイト・クラブ』(1996)です(注1)。 普通『ファイト・クラブ』は主役のブラッド・ピットをスターダムに押し上げた映画として知られています。監督はデヴィッド・フィンチャー。1999年の公開時こそ興行成績が振るわなかったものの、ソフト化されてから口コミで話題を呼び、今なおカルト的な人気を誇っています。例えば『JOKER』(トッド・フィリップス、2019)にもその影を見ることができるでしょう。 しかしチャック・パラニュークによる原作も映画に劣らず興味深いものです。1962年生まれのパラニュークは、まだ作家になる以前の鬱屈していた時期に、たま
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