分断された地域が再び鉄道でつながる。東京電力福島第1原発事故から約9年。最後の不通区間となっていた富岡―浪江間で3月14日に運行を再開し、全線再開するJR常磐線。普通列車と特急列車のダイヤが17日発表された。「日常を取り戻していく大きな節目になる」。人の行き来や経済活動で支障を感じていた帰還住民は、全線再開に期待を膨らませている。 「直通でつなぐ電車がないので人の流れが止まっている。再開を待ち望んでいた」。JR浪江駅近くの居酒屋「こんどこそ」店主の大清水一輝さん(32)は声を弾ませた。 全町避難を強いられ、2011年10月に避難先の二本松市で再開。母親の店を手伝っていた大清水さんは古里への思いを募らせ、18年9月に震災前と同じ場所で営業を始めたが、店の営業時間は常磐線の終電に合わせて夜は午後5時~午後9時にとどまる。 「震災前は町内だけでなく、双葉町や富岡町などからもお客さんが来ていた。人