景気減速が著しい日米欧の事業の苦戦により、世界的建機大手のコマツは今期、7期ぶりの営業減益を余儀なくされそうだ。株価も2007年10月の高値4090円から08年10月28日には一時702円まで売り込まれた。 だが、そう悲観することはない。同社は業界において最も生産管理が進んでいるうえに、潜在成長率の高い新興国でトップシェアを持っている。加えて、1倍程度のPBRには割安感がある。現状の株価水準においては、投資は「強気」で臨みたい。 ■新興国で絶大な強さを見せる 特筆すべき点の1つは、同社が中国を含むアジア、ロシア、中近東、アフリカ、中南米などの新興国における市場シェアをこの3年間で5ポイント積み上げ、25%超にまで引き上げたことだ。建機トップの米キャタピラーをしのぎ、世界一となっている。それら新興国での売上高比率は、足元では50%を超えている。 これは、日米欧の不振を吸収する収益体制が