政府の緊急事態宣言でSTAY HOMEを強いられた日々、楽しみは専ら食事だった。家で晩酌をする機会が多くなると美味しいお酒が欲しくなる。私は日本酒の魅力に嵌った。 著者も日本酒の魅力に取りつかれたひとり。17年前、アルバイト先の居酒屋で飲んだ一口が彼女の人生を一転させた。タイトル通り、いつも日本酒のことばかり、考えるようになってしまったのだ。 病膏肓に入り、唎酒師の資格を取り日本酒教室に通い、蔵元から直接情報を仕入れるようになり、なんとか魅力を世間に伝えたいと日本酒専門ライターとなった。今ではセミナーの講師をするほど、熱い思いがぎゅうぎゅうに詰め込まれた一冊だ。 日本酒の味にもピンからキリまである。だが現在、そのキリの底上げぶりは驚くほどで、はずれの酒はほとんどないと強く語る。基本、自分が飲んで美味しいと思う酒を飲めばいい。 だが酒づくりの工程は繊細だ。 製品の骨格を作る酒米選びから始まり