「子供に農業の魅力を伝えたい」「滋賀県の琵琶湖においしい魚がいることを知ってほしい」。SNSや動画配信などインターネットを通じて発信された思いが静かな共感を呼んでいる。出資を募るクラウドファンディングに応じたり、自身が持つ技術で協力したりする人が着実に増加。日本の農業や漁業の魅力を伝える輪が広がっている。(時事通信経済部 磯部敦子) 絵本でつなぐ新たな農業者 地元中学で調査された「将来なりたい職業ランキング」に農業が入っていない―。茨城県で米作を営む横田祥さんはこの事実に「やっぱりなと思うと同時に、危機感も覚えた」と語る。就農して約20年、周辺から農地を譲り受けたり、耕作放棄地になる農地が増えたりして、「後継者不足を目の当たりにしていた」ためだ。 「アグリバトンプロジェクト」に取り組む横田祥さん(中央)と本多恭子さん(左)、井堀実香さん=茨城県牛久市【時事通信社】 農林水産省によると、20