ナスの害虫対策として、天敵の虫を使った防除法が徳島県内で広がっている。県が2014年度から普及を図り、大幅に農薬を減らせて環境に優しいこともあり、導入する農家が増えている。植物としてのゴマを活用した防除法で、その名も「ゴマまわし」。高知県内での防除法にヒントを得た。 ナスにはアザミウマやコナジラミという害虫がつきやすく、実が傷ついたり、苗が枯れたりする。頭を悩ます農家を支援しようと、徳島県農林水産総合技術支援センター(徳島県石井町)の上席研究員だった中野昭雄さん(56)=現・資源環境研究課長=は12年ごろ、それらの害虫を食べるカメムシの仲間のタバコカスミカメに改めて着目した。 十数年前、ナスのハウス栽培が盛んな高知県で、使われなくなったハウスでタバコカスミカメが好むゴマを栽培し、タバコカスミカメを増やして農家に配る取り組みが行われていることを知った。だが、徳島には使えるようなハウスがなかっ