交通事故で左腕にまひが残りながらも海外の名峰に挑戦している会社員片山貴信さん(47)=兵庫県姫路市=が、20年以上前から希少な在来種のニホンミツバチを飼育している。香り高い蜂蜜の売り上げは高額な渡航費用の一部になる。7月には新型コロナウイルスの影響で休止していた海外遠征を3年ぶりに再開する予定で「待ち望んでいた機会。ミツバチにも頑張ってもらわないと」と顔をほころばせる。(森下陽介) 20歳の時にバイク事故を起こし、当時は医師に「腕は二度と動かない」と宣告された。長いリハビリの末、7千メートル級の高山を踏破するまでに回復した。 養蜂は当初、趣味として始めた。ニホンミツバチは幅広い花から蜜を取るため「百花蜜」と呼ばれ、季節によって味わいが変わるのが特徴。養蜂業で一般的なセイヨウミツバチと比べて、蜂蜜の収穫量は極端に少ないという。 片山さんは蜜の採集がしやすいことから、巣箱を縦に積み上げる「重箱