牛とともに農業で生きていきませんか――。三重県南伊勢町は、移住者に牛を貸し、農業で自立できるよう支援する事業を始める。耕作放棄地を活用し、過疎地で「稼げる農業」のモデルを築くのが狙いで、今月から希望者を募っている。 南伊勢町迫間浦の山中に、事業の拠点となる牛の放牧場がある。もとは水田で広さ40アール。肉用の繁殖牛2頭が飼育されていて、それぞれが昨年秋に生んだ子牛2頭もいる。 町水産農林課による計画では、移住者は1年目は山村振興集落支援員らの指導の下、牛の飼育や繁殖、子牛を売る仕組みについて学ぶ。2年目は自ら牛を町内各地の耕作放棄地へ連れていき、放牧をさせる一方、青ネギの栽培や林業の手伝いといった畜産以外も学ぶ。3年目は飼育頭数を増やして経営に力を入れる。希望次第で研修期間の短縮もできる。 新人農家として自立するのは4年目で、町から借りた繁殖牛を飼育。種付けをして生まれた子牛のうち、1頭目は