生物の形の仕組みを明らかにすることは、その生態や進化を理解する上でとても重要なことです。葉は光を効率的に集めるために薄っぺらい構造をもっていますが、その一方で、多少の風雨にも耐え、長いものでは10年以上の寿命があります。今回の研究により、植物の葉は「サンドイッチ構造」という飛行機の翼にも使われる仕組みを使って、薄くても丈夫という相反する条件を巧みに満たしていることが分かりました。本発見が、植物科学の発展だけでなく、薄くかつ耐久性の⾼い構造設計に応⽤されることが期待されます。 概要 植物の葉は、効率的な光吸収のために薄い構造をもっていますが、一方で、多少の風雨にさらされても壊れません。葉の断面をみると、外側の表皮組織と内側の葉肉組織に大別することができ、工学で用いられている「サンドイッチ構造」に似ています(図)。しかし、葉の表皮組織と葉肉組織は密着しているため、両組織を分離して硬さを測定する