ウクライナ情勢などにより、鶏のエサとなる配合飼料や光熱費が上昇し、卵の価格は上昇傾向にあったが、高病原性鳥インフルエンザの過去最大規模の感染拡大が追い打ちをかけた形だ。 鳥インフルは例年11月中頃に鶏やアヒルなど家畜の鳥で初感染が報告される。今シーズンはこれまでで最も早い10月末から被害が拡大。感染の発生件数は2月20日時点で76件に上り、鶏卵を産む採卵鶏1300万羽以上が殺処分された。平時に国内で飼育されている採卵鶏の1割に相当する規模で、従来最も多かった2020年度の987万羽を大きく上回った。 卵を使うメニューが相次ぎ販売停止に 鳥インフルの直撃を受けているのが外食業界だ。 業界大手のすかいらーくホールディングス(HD)の金谷実CFO(最高財務責任者)は鶏卵価格高騰の影響について「年間で4〜5億円の利益を圧迫する水準」だと話す。同社が2023年12月期の営業利益として見込む60億円と