近年、世界的な健康志向の高まりや「和食」のユネスコ無形文化遺産登録などを追い風に、日本茶輸出量が伸びている。財務省貿易統計によると、2018年日本茶輸出数量は前年から10%増の5102t。2008年比では約3倍の大幅な伸長となった。来年には東京オリンピック・パラリンピック2020を迎えることもあり、日本茶の注目度はますます高まりそうだ。国内消費量が低迷する中、さらなる輸出拡大へ向け、どのようなことに取り組むべきか。本紙「食品産業新聞」では今回、その原点ともいえる「品種」や、世界市場における日本茶の「強み」に着目。日本茶業学会会長で農学博士の武田善行氏に話を聞いた。 〈日本茶業学会会長・農学博士 武田善行氏インタビュー〉 現在、日本では年間約7.8万tの茶が生産されている。その品種は国立研究機関、府県、民間合わせて119品種あり、このうち緑茶「さえみどり」や紅茶「べにふうき」など18品種の育