「すべて分析化学者がお見通しです!」の「第2章 食品を分析する」の中のフタル酸エステルと塩ビ手袋の部分に、小比良さん からtwitterで次のようなご指摘をいただきました。 私もあの部分については少し違和感のようなものを感じました。知らない人が読むと「環境ホルモン」は怖いもので、その使用が分析によってストップしたと読めそうな気がしました。 (twitterはページがいくつにも分かれてしまって全部をリンクするのはたいへんです。この他の部分はecochemさん作成のまとめ 「すべて分析化学者がお見通しです!」@Togetter の3月5日周辺を読んでください。) 小比良さんにダイレクトメッセージでより詳しくご意見をおききしました。たしかに、次のように間違って読まれるかもしれないと思われました。私の見解とともに書いておきます。 A DEHP(フタル酸エステルの一つ)は環境ホルモンだから規制された
やや挑発的なタイトルですが・・・ 食品安全情報blog の畝山さんが 「すべて分析化学者がお見通しです!」を紹介 してくれました。ずいぶんほめていただいて、感謝・感謝です。 結論的にはほめてくれているのですが、素直に喜べないくだりがあります。 分析という仕事は従事している人が比較的多く、何をやっているのかも一般の人からは比較的わかりやすい仕事だと思います。 ただ動物を使って安全性の研究をしている人達からの評判は実はあまり良くありません。分析屋は、なんだかよくわからないものを「検出」しただけでその生物学的意味などお構いなしにとにかく危険だと騒ぎたがるし、自分が検出した物質は最大限に悪いまたは良い影響があると誇大宣伝してはばからないし、なんらかの「基準値」違反があったらそれだけで「手柄」として大々的に騒ぎたがる・・・そういうイメージがあります。分析屋が騒ぎを引き起こすとそのせいで訳のわからない
まず医薬品分析の専門家、立木秀尚(たちきひでひさ)さんをご紹介します。 立木さんは東和薬品(株)の研究所勤務で、動物実験や臨床試験で得られた血液などに含まれる薬物や代謝物を主に分析しています。 LC/MS/MS(高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析)ユーザーの間ではたいへん有名な方です。MSMSメーリングリストを主宰し、医薬品業界のみならず、関連業界を巻き込んだネットワークを構築しておられます。 このメーリングリスト、ベンダーさんご禁制、ユーザーが本音情報を交換し合う、知る人ぞ知る秘密組織。オンラインはもちろん、オフラインで資料を読みながらお酒を飲む宴会兼勉強会という恐ろしい企画もあるとか。 さて、立木さんが書いた医薬品分析の世界。ひときわ文化の香り高い上質な読み物となっています。はるか昔の中国の伝説と現代の医薬品分析に通じるものとは? 錬金術が生み出した偉大な道具とは? そんな話
松永和紀さんの近著「食の安全と環境―「気分のエコ」にはだまされない」(日本評論社)を読みました。 この本に興味を持つ人は畝山智香子さんの「ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想」と中西準子さんの「食のリスク学―氾濫する「安全・安心」をよみとく視点」にも興味があるか、または既に読まれたことでしょうから、これらとの関係で内容を紹介してみます。 本のカバー範囲と書き方 「ほんとうの「食の安全」を考える」は昨年末にこのブログでも 紹介 したとおり、食品中の化学物質のリスク評価についての解説書です。「食のリスク学」はリスク論の立場から食の安全を考える本で、講演・対談・インタビュー等で構成されています。 私のブログの読者は残留農薬や食品添加物や重金属等の混入という視点から食に携わっている人が多いと思います。「ほんとうの「食の安全」を考える」はそのような皆さんの関心に応える本です。 でも、
私は著書でメールアドレスを公開しているので、時々読者の方から質問メールが送られてきます。2019年3月頃、丸山晴男さんという方から分析機器に関する質問をいただきました。 たまたま共通の知人がいることがわかったため、何回かメールのやり取りをし、持っておられる私の「よくわかる最新分析化学の基本と仕組み」は初版の方だったので、第2版を送らせていただきました。その後も時々メールの往来がありました。丸山さんがこのほど本を出版されたのでご紹介します。 ■ 丸山晴男さんについて 略歴は版元の書籍ページに書かれています。(Amazon等の書籍購入リンクもあります。) 人生は化学反応・化学変化(幻冬舎ルネッサンス) 岐阜県内の中学校・小学校・高校で42年間教諭や講師をされてきました。そのかたわら、自宅に「恵那エネルギー環境研究所」と「恵那ライブ気象台」を開設して研究活動や学校以外での教育活動を続けて来られま
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