「低音域だけが迫力ではない。中音域や高音域が空気感を作り出すからこそ低音域が映え、没入感が生まれる。」と考えていた。一方、「音が身体を揺さぶらないイヤホン・ヘッドホンがリアルだと思えるわけがない」という諦めもあった。 しかし驚くべきことにその身体を揺さぶる感覚を半ば再現してしまったのが本機だ。どこかのイベントの吹奏楽で感じたあの振動が蘇る。 「低音域の量ばかりが多く中音域や高音域が覆い隠され眠い音」というのが第一印象だった。諦めの気持ちでしばらく聞いていてあることに気づく。「低音域が鼓膜ではなく頭全体に響き、痺れる」のだ。 ポテンシャルはあるのに残念と思いつつ、このまま手放すのも面倒なのでとりあえずイコライザーを弄ることにした。そこで様々なジャンルを試し、-6、-6、-2、2、4、3、1、0、0、0という設定に辿り着く。 低音域の支配は無くなった。しかし低音域が出る曲ではしっかり出てくれる