創建当時から西金堂内に安置されており、細部は天平時代のかなり早い時期の手法を用いて造られていることから、天平時代の建築技法を現在に伝え、塔の建築様式の発展をたどる上にも重要であること。建造物としての五重塔はこれ一基しか存在していないので、これらの点からこの小塔の価値が高く、昭和26年6月9日、国宝18号として指定を受けました。 小塔は屋内で安置することを目的とした為、近くから見たり拝んだりするので、近くから見た時の工芸的な性格を非常に重視しており、小塔の外部は組物などの細部にいたるまで忠実に作られています。 このことは寸法取りにも表れており、上層部にいくにしたがって塔身が細く作られていることから上層部と下層部の均整を重視した寸法取りを行っていることがうかがい知れます。 通常、寺院には高さが数十mの大きな五重塔があるのが一般的ですが、海龍王寺は飛鳥時代から建っていた寺院をもとに創建されたこと