東京電力福島第一原子力発電所事故で、森林の地上に降下した放射性セシウムの50~90%前後が、落ち葉や落下した枝の切れ端に付着していることが筑波大学の恩田裕一教授らの測定でわかった。 13日の文部科学省の検討会で報告した。落ち葉の除去により、大幅な放射線量の減少が可能となることを示すもので、除染対策の基礎データとなりそうだ。 恩田教授らは6~8月、計画的避難区域に指定されている福島県川俣町にある針葉樹の杉林、ナラガシワなどが生育する広葉樹林の放射性セシウムの濃度、蓄積状況を比較した。 その結果、杉林の生きた葉への蓄積量は、広葉樹林に比べ多かったが、落ち葉では、広葉樹林が杉林の3~6倍となった。放射性物質が拡散した3月時点では、広葉樹の生きた葉は少なく、セシウムが落ち葉の積もる地面に落下したためとみられる。