福島第一原子力発電所の事故の前に、東京電力以外の複数の電力会社が想定を超える津波の対策を進めていたことがNHKの取材でわかりました。しかしほとんどの対策が発表されておらず、専門家は公表されていれば業界全体として対策が進んだ可能性もあったとして、東京電力や電力業界の体質の検証が重要だと指摘しています。 NHKが事故の前の電力各社の津波対策を取材したところ、静岡県にある中部電力・浜岡原発では、想定を超える巨大津波で地下トンネルから海水が敷地内に入り込む可能性を考え、事故の前に防水性をより高めた扉の設置を進めていました。 また、配管の隙間をふさいで海水の流入を防ぐ工事を進めていたほか、高さ10メートル以上の防潮堤の設計にも着手していました。 日本原子力発電も浜岡原発を視察したうえで、茨城県の東海第二原発で想定を超える津波対策として盛り土の造成や原子炉建屋の防水などを進めていました。 しかし、こう