まえにもちょっと触れた、孤独への願望は、「自負心」に他ならない。フランスとの、さらにお互い同士の関係において、そして最後は死に臨んで、対独協力義勇兵につきまとう見事なまでの孤独について、ひとこと触れておきたい。淫売婦よりも、泥棒よりも、汚穢屋よりも、魔法使よりも、男色家よりも、うっかり、あるいは好き好んで、人肉を喰らった人間よりも、彼らはもっとさらに排斥されていた。嫌われるだけでなく、けがらわしい人間に見られていた。こういう連中が私は好きだ。 (p98) 葬儀 (河出文庫) 作者: ジャンジュネ,Jean Genet,生田耕作出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/02メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (18件) を見る 『葬儀』の翻訳は、文庫本で400ページほどの厚さに細かい字がぎっしりと埋まっており、例によって書かれてある内容も非常に「濃い