「絶滅危惧種」のニホンウナギの完全養殖技術の実用化に向け、水産研究・教育機構(本部・神奈川県)は17日、南伊豆町のウナギ種苗量産研究センター南伊豆庁舎で人工的に飼育した稚魚(シラスウナギ)を使って民間業者による養殖実験を初めて行うと発表した。 鹿児島鰻、山田水産(ともに鹿児島県)の2社に同日、人工シラスウナギ計約300尾を発送した。民間業者の養鰻(ようまん)池で約1年かけて出荷可能なサイズまで飼育し、天然のウナギ稚魚と形状の変化や飼育の容易さなどを比較。データを収集して、人工シラスウナギ生産と養殖の改善点を洗い出す。 同機構は2010年、ウナギの卵から親魚まで育て、親魚から得た卵をふ化させる完全養殖を実現。13年には安定生産に向け、同センターの大型水槽で仔魚(しぎょ)をシラスウナギまで飼育することに成功している。 水産庁によると、養殖に必要な天然シラスウナギの18年漁期の国内漁獲量は、前期