昭和の時代の男の子にとって「ミズノ」の3文字は、ずいぶん神々しかった。昼は空き地で野球ごっこ、家に帰れば「ナイター中継」と野球漬けという男の子は少なくなかった。小さい頃はおもちゃのバットやグローブで遊んでいたが、うまくなって野球チームに入れば「本物の」野球用品を買ってもらえた。その中でも、日本のトップメーカー「ミズノ」は少年たちの憧れだった。 永く日本野球を支えてきたミズノだが、日本社会やスポーツをめぐる環境の変化に伴い、企業そのものも大きく変貌している。 特に研究開発部門は、「スポーツで社会を変える研究開発ビジョン」を掲げ「競技」を中心に「教育」「健康」「環境」「ワーク」の5つの領域で変革を目指している。 2022年には大阪市住之江区南港のミズノ本社の横に、研究開発拠点「MIZUNO ENGINE」を設立、各分野のスペシャリストのアイデアと最先端設備を集結させ、開発の起点となる「はかる」