緊急事態宣言下の都内では、混雑でウンザリしていた電車ですら、簡単に座席に座れるようになった。終電まで飲み歩いている人も皆無と言っていい。 タクシー業界の苦戦は想像に難くないが、その実情はどうなっているのだろう 。 市議会議員と二足の草鞋を履く異色のドライバー、下田大気(ひろき)氏(43)に話を聞いてみた。下田氏は、作家・志茂田景樹氏の次男としても知られ、ドライバーになって1年目で年収800万円を稼ぎ出したことから「カリスマドライバー」などと呼ばれることもある人物。業界をテーマにした著作も複数ある。 収入は半分以下に 「2月に入ってからジリジリとお客さんが減り始め、3月に入っても下げ止まらず、ついに緊急事態宣言でトドメを刺されてしまった、という感じです。都内を走るタクシーの平均売上は、実働1回で5万円前後なのですが、今は2万円稼ぐのがやっと。既定の最低給はあるものの、売り上げの60%という歩