長い年月を一つのジャンルにのめり込んでいると、「この作品は一生モノだ!」と思う作品に出会うことがある。 もちろんその「一生モノ」の作品は人それぞれなのだけれど、その人がそのジャンルにのめり込んできたことで磨かれた感性やそのジャンルに傾倒してきたと言う経験がその作品をそう思わせることもあるのだけれど、ただ何となく「これは一生モノだ!」と思う作品があるのも確かである。 『アトラク=ナクア』は俺がそんな何となく一生モノの作品だ!と確信したタイトルの一つである。 何が良かったかと言われると「比良坂初音」と言うキャラクターに尽きる。 「人外化生は愛してやまない」と公言しているものの、多くの人外キャラが人間に歩み寄る姿勢を見せているか、徹底的に拒絶するかのどちらかで演出される。 例えば『月姫』のアルクェイドは「吸血鬼」と言うアイデンティティを持つがゆえに「人間とは違う」ということを明確に意識した上で「