タグ

書評に関するkubodeeのブックマーク (4)

  • 『屋根裏の遠い旅』那須正幹著 - 法華狼の日記

    パラレルワールドの戦時下日に迷い込んだ少年達の物語。『ズッコケ三人組』シリーズで有名な児童作家が1975年に書いた作品で、私が読んだのは1999年に偕成社文庫で発行された版。 太平洋戦争で勝利して戦時下の全体主義体制が続くパラレルワールドの日、そこへ校舎の屋根裏に上がった少年2人が迷い込む。目の前には戦前の日と地続きの古臭い光景が広がり、教育や法律も旧態依然とした内容だ。大人の相当数が前線で戦っており、同級生には父親を戦闘で失った者もいる。 学校の活動において自由な発言した主人公達だが、やがて同級生から仲間外れにされ、陰湿ないじめを受けることになる。同時並行で元世界の日へ戻ろうと試行錯誤しつつ、ついに協力者をえることに成功するが…… 時代性を考慮すれば、傑作と呼んで過言ではないと思える作品。反戦児童文学という言葉からイメージされるような単純な内容ではなく、ジュブナイルSFとしても完

    『屋根裏の遠い旅』那須正幹著 - 法華狼の日記
  • 「2009年は161冊読みました!」「それは何がすごいの?」というわけでオススメ本16.1冊を挙げてみる - ミームの死骸を待ちながら

    新年二目、というわけで2009年に読んだ良をまとめて書評しちまうぜエントリ。いざ数えるまで何冊読んでいるのか知らなかったんだけど、これは...案外読んでるな。まぁ、うち40冊くらいは小説なんだけど。舞城王太郎とか西尾維新とか村上春樹とか司馬遼太郎とか真山仁とか福井晴敏とか。 ちょいと余談なんだけど、...いや、そう言うことならこのブログ自体が余談の固まりのようなものか。戯言雑感チラシの裏。すなわちそれは、僕は余談に生きているというか、生き様が余談的なのかも知れない。なんとなくそんな感じはする。となると、じゃあ論はどこにあるんだろう?という疑問が沸いt ってなぜ余談に入る前に余談に逸れるのか。信じ難いな。 気を取り直して。僕にとって読書ってのは、どうもそのときの心理状態をセーブする"鍵"になっているらしい。タイトルを眺めてぱらぱらとめくってみると、以前読んだときの心理状態が再現できる。

    「2009年は161冊読みました!」「それは何がすごいの?」というわけでオススメ本16.1冊を挙げてみる - ミームの死骸を待ちながら
  • 「虚航船団」はスゴ本

    賛否まっぷたつの怪書。 批判する人の気は"知れる"が、楽しんで読めた。ただし、これを最高傑作と持ち上げるほど筒井作品を知らないので、なんともいえん。むしろ「文学部唯野教授」の方が面白いんちゃう?と、つぶやきたくなる。500超ページをひとことでまとめると、「巨大な寓話」。自意識過剰な文房具キャラの非日常的日常、イタチに置き換えた人類史の早回し、黙示録的戦争から神話の三部構成となっている。 まずコンパスが登場する。彼は気がくるっていた。 文房具はどこかしら精神に異常をきたしており、現代社会の――というか自分自身をそこに見出しては、黒い笑いに襲われる。 著者・筒井康隆は、寓意を隠さない。イタチたちの歴史は「人間」の歴史であり、文房具たちは「人間」のメタファーであることは、折々の自己言及で「人間」という表現を持ち出しているから。さらに、イタチの歴史を嘲笑(わら)うことはニンゲンを虚仮にすることだか

    「虚航船団」はスゴ本
  • 限りなく大きなテーマ『ZOOKEEPER 』 - 漫棚通信ブログ版

    青木幸子『ZOOKEEPER 』が全八巻(2006年~2009年講談社、各514円~533円+税、amazon、bk1)で完結しました。最後まで全力で走りきりましたね。 同じ講談社「イブニング」の『もやしもん』も最初は、菌を見る超能力を持った主人公が農大でおこる珍事件・難事件をたちどころに解決! という設定だったのでしょうか。最近は主人公のカゲがすっかり薄くなってますねー。 『ZOOKEEPER 』も似た設定で始まりました。温度を目視する超能力を持った動物園の新米飼育員(♀)が、動物や人間たちのさまざまな事件をその能力で解決してゆく。 ただしこの能力、ずいぶん地味でして、要は赤外線カメラ/サーモグラフィみたいなもの。主人公の能力でハデな結果を得ることもたまにありますが、通常は動物の病気を早期発見したり、ヒトがウソついてるかとか怒ってるとかを判断できるぐらい。まあ言ってみれば「観察力が鋭い」

    限りなく大きなテーマ『ZOOKEEPER 』 - 漫棚通信ブログ版
  • 1