旅館の女将(おかみ)は客の不満を素早く察知していると考えられることが、自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の柿木隆介名誉教授(神経生理学)らの研究で明らかになった。怒った表情などを見た際に、一般女性よりも脳波が大きくなる傾向が確認されたといい、研究成果は14日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。 研究に際しては、蒲郡温泉(同県蒲郡市)の旅館の女将ら21人と、接客に関わりのない一般女性19人らを対象に、怒った顔や無表情、笑顔の画像を見てもらった上で、脳波を測定する実験を行った。すると、女将たちが怒った顔や無表情を見た時には、0・1秒後に現れる「P100」と呼ばれる脳波が、一般女性よりも大きくなったのが確認された。一方で、0・17秒後に現れる「N170」の脳波には両者に差は見られなかったという。 この結果からは、女将たちが相手の表情を素早く読み取り、相手に悟ら