ある企業が挫折や災難に見舞われると、ビジネススクールの教授と経営ジャーナリストは必ず、ほかの企業のための教訓を提示してみせる。 ゼネラル・モーターズ(GM)とイグニッションスイッチの欠陥の例がそうだったし(問題を見つけた従業員は必ず、管理職に伝えるようにすること)、スターバックスが英国で直面した税金問題の場合もそうだった(企業にダメージを与える消費者の力を侮ってはならない)。 だが、マレーシア航空の苦悩から他社が学べることはあまりなさそうだ。旅客機が1機行方不明になり、もう1機が撃墜された2度の惨事は、ほかの人へのアドバイスを生み出すにはあまりに珍しすぎるからだ。 マレーシア航空自身が2度の悲劇から何を学べるのかも、よく分からない。最初の悲劇は、まだ説明がついていない。2度目の悲劇は、マレーシア航空の責任ではなかった。航空機は紛争地帯の上空を飛んでいたが、ほかの立派な航空会社も飛んでいた。